人工心肺手術を受けた患者の吸入麻酔と完全静脈麻酔の脳保護効果の比較:系統的レビューとメタ分析

・人工心肺(CPB)による心臓手術を受ける患者において、神経学的機能不全が依然として悲惨な術後合併症であり、これまでの研究では、吸入麻酔と完全静脈麻酔(TIVA)では、これらの患者において脳保護効果の程度が異なることが示されている。そこで、吸入麻酔と TIVA の神経保護効果を比較するために、系統的文献レビューとメタ分析を行った。

・PubMed、EMBASE、Science Direct/Elsevier、China National Knowledge Infrastructure and Cochrane Library を 2016 年 8 月まで検索し、このメタ分析に関連する無作為化比較試験を選択した。

・合計 1485 件の研究が確認された。重複記事を除外し、タイトルと抄録をスクリーニングした後、445 の研究が適格の可能性があった。除外基準(抄録として報告された全文、レビュー記事、対照症例のないもの、転機データの欠如など)を適用した後、13 件の研究が審査のために選択された。著者らの結果は、S100B 値に関する主要評価項目が、CPB 後と術後 24 時間で、吸入麻酔群のほうが TIVA 群よりも有意に低いことを示した(加重平均差(WMD)、95%CI(CI):それぞれ、-0.41(-0.81~-0.01)、-0.32(-0.59~-0.05)。二次評価項目変数のうち、精神状態検査スコアは手術 24 時間後に、吸入麻酔群のほうが TIVA 群よりも有意に高かった(WMD(95%CI):1.87(0.82?2.92))が、CPB 中の冷却中と再加熱時に評価された動脈血酸素含有量の差、脳酸素抽出率、頸静脈酸素飽和度には有意差は見られなかった。

・本研究は、CPB による心臓手術を受ける患者では、揮発性薬剤による麻酔のほうが TIVA よりも優れた脳保護作用を示すようであり、吸入麻酔のほうが心臓手術を受ける患者に適していることを示唆している。

[!]:吸入麻酔の方が心筋保護効果だけでなく、脳保護効果も優れているようだ。揮発薬の方が細胞代謝を低下させるので、より冬眠に近いんだろうな。

【出典】
Comparison of the cerebroprotective effect of inhalation anaesthesia and total intravenous anaesthesia in patients undergoing cardiac surgery with cardiopulmonary bypass: a systematic review and meta-analysis
BMJ Open 2017;7:e014629. doi: 10.1136/bmjopen-2016-014629

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