全身麻酔中の肥満患者の個別的呼気終末陽圧:電気インピーダンス断層撮影を用いた無作為化対照臨床試験

・全身麻酔は、肥満患者における無気肺、呼気終末肺容量(EELV)の減少、動脈血酸素化の減少をもたらす。著者らは、肺加圧操作(RM)と個別呼気終末陽圧(PEEP)の併用がこれらの影響を回避できると仮定した。

・待機的腹腔鏡手術を受ける BMI≧35kg/m2 の患者を、1 回換気量 8ml/kg(予測体重) の人工呼吸と、(i) RM 後に電気インピーダンス断層撮影を用いた個別化 PEEP に調整する(PEEPIND)か、または(ii) RM は行わずに、5cmH2O の PEEP(PEEP5)のいずれかに無作為に割り付けた。麻酔前、麻酔中、麻酔後に、ガス交換、局所換気分布、EELV(多呼吸窒素洗浄法)を測定した。主要評価項目は、酸素の動脈血分圧の吸気酸素濃度に対する比(PaO2/FiO2)であった。

・PEEPIND(n=25)群と PEEP5(n=25)群を合わせると、PaO2/FiO2 と EELV は、挿管後にそれぞれ 15kPa[95%信頼区間(CI)11-20kPa、P<0.001] と 1.2L(95 %CI 0.9-1.6L、P<0.001)だけ減少した。平均(SD)PEEPIND は 18.5(5.6)cmH2O であった。 PEEPIND 群では、抜管前の PaO2/FiO2 が 23kPa(95%CI16-29kPa;P<0.001)であり、EELV は 1.8L(95%CI1.5-2.2L;P<0.001)であり、駆動圧は 6.7?cm H2O(95%CI 5.4-7.9cmH2O;P<0.001)、局所換気は PEEP5 よりも均等に分布していた。しかし、抜管後、これらの群間差は消えた。

・肥満患者では、RM と高い PEEPIND が麻酔中の EELV、局所換気分布、酸素供給を回復させたが、これらの差異は抜管後は持続しなかった。したがって、肺保護戦略は術後期間を含むべきである。

[!]:肥満患者に対する RM や PEEP は術中だけやってもだめ、術後までやるべしと。

【出典】
Individualized positive end-expiratory pressure in obese patients during general anaesthesia: a randomized controlled clinical trial using electrical impedance tomography.
Br J Anaesth. 2017 Oct 16. doi: 10.1093/bja/aex192. [Epub ahead of print]

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