心臓手術後の早期認知低下に及ぼすデキサメタゾンの効果:無作為化比較試験

デキサメタゾン2.png・術後認知低下(postoperative cognitive decline:POCD)は、心臓手術後の非常によく見られる合併症で、記憶機能と知的能力の両方の障害、医療資源の使用増加に関連していることを特徴とする。研究者らは、POCD の病因に関与する潜在的因子として、外科的処置に対する炎症反応の役割に焦点を当てた。炎症反応を減弱させるための予防的デキサメタゾン使用は、POCD のリスクを低下させると仮定された。

・2015 年 3 月から 2016 年 1 月まで、大学教育病院単施設での無作為化比較試験である。待機的心臓手術が予定さた合計 169 人の患者が登録され、161 人の患者が分析に含まれた。手術 10 時間前に、デキサメタゾン(n=85)か、またはプラセボ(n=84)を 0.1mgkg 単回静脈内ボーラス投与するように患者を無作為に割り付けた。主要評価項目は、両群における手術後 6 日目の POCD の発生率であった。また、デキサメタゾンが全身性炎症反応症候群、術後 C-反応性タンパク質値、術後血清 S100β タンパク質値に及ぼす影響を評価した。

・デキサメタゾン群のほうが、プラセボ群と比較して、POCD(相対リスク 0.43、95%信頼区間 0.21~0.89;、P= 0.02)、全身性炎症反応症候群の発生率(30.0% vs 58.0%、P<0.001)、術後 C 反応性タンパク質値(P<0.001)を統計的に有意な低下を示した。術後 S100β値はデキサメタゾン群のほうが有意に低かった(P=0.56)。

・デキサメタゾンの術前投与は炎症反応を低下させ、心臓手術後の早期 POCD のリスクを低下させた。

【出典】
Effects of dexamethasone on early cognitive decline after cardiac surgery: A randomised controlled trial.
Eur J Anaesthesiol. 2017 Nov;34(11):776-784. doi: 10.1097/EJA.0000000000000647.

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