オフポンプ冠動脈バイパス患者におけるインスリン抵抗性に及ぼす術前経口炭水化物投与の評価:無作為化試験

・絶食心臓手術患者では、術前の炭水化物(CHO)飲料摂取はインスリン抵抗性の低下および心臓代謝の改善をもたらしたが、おそらくは人工心肺に関連する極端な全身性炎症があるため、その有益な効果は心臓手術後には明らかではない。著者らは、術前 CHO 摂取がオフポンプ冠動脈再建術におけるインスリン抵抗性と遊離脂肪酸(FFA)濃度に影響するかどうかを評価することを目的とした。

・2015 年 1 月から 2016 年 7 月まで、韓国の大学病院でのプライマリケアにおける無作為化比較試験で、待機的多枝冠動脈再建術を受けた 60 例の患者を無作為に 2 群に分けた。3 人の患者は分析から除外され、57 人の患者が研究を終了した。CHO 群は、前日夜と手術 2~3 時間前に経口 CHO(400ml)を受け、対照群では標準プロトコールに従って食餌飲水を絶食させた。主要評価項目であるインスリン抵抗性は、麻酔導入後と術後に短時間インスリン耐性試験によって 2 回評価された。FFA、C-反応性タンパク質、CPK-MB 濃度を、手術後 48 時間連続して測定した。

・対照群と比較して、CHO 群のほうがインスリン感受性が高く(P=0.002)、血漿 FFA 濃度が低かった(P=0.001)が、術後には群間差はなかった。術後最高 CPK-MB 濃度は、対照群と比較して CHO 群のほうが有意に低かった[8.8(5.4~18.2) vs 6.4(3.5?9.7)ng ml、P=0.031]。

・術前 CHO は、手術開始時の絶食と比較して、インスリン抵抗性と FFA 濃度を有意に低下させたが、これらの利点は、冠動脈再建術後には失われた。その効果は一時的なものであるにもかかわらず、これらの有益な効果は心筋損傷が少なくする結果となっており、術前 CHO が冠動脈再建術後の心筋虚血や心機能に及ぼす影響に焦点を当てたさらなる研究を必要としている。

【出典】
Evaluation of preoperative oral carbohydrate administration on insulin resistance in off-pump coronary artery bypass patients: A randomised trial.
Eur J Anaesthesiol. 2017 Nov;34(11):740-747. doi: 10.1097/EJA.0000000000000637.

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