小児で術後嘔吐を予防するための全静脈麻酔 vs 単回薬理学的予防:系統的レビューとメタ分析

・術後悪心と術後嘔吐は小児患者の全身麻酔後に頻繁に見られるが、しばしば見逃される合併症である。吸入麻酔薬は術後嘔吐を引き起こすことが知られているため、吸入麻酔の使用を避けるために、高リスク児にはしばしば全静脈麻酔が実施される。吸入麻酔はいくつかの状況で有利である可能性があるので、薬理学的予防投与が、全静脈麻酔単独と比較して、術後嘔吐を回避する保護効果を提供するかどうかという疑問が提起される。この系統的レビューの目的は、小児患者で術後嘔吐予防のために全静脈麻酔を単剤の予防薬投与とを比較することであった。

・著者らは、全身麻酔を受けた年齢 18 歳未満の患者を対象にして、1 群はプロポフォールベースの全静脈麻酔、他群は予防薬単剤を使用した吸入麻酔を受けた、無作為化対照試験について系統的レビュー(EMBASE、MEDLINE、CENTRAL)とメタ分析を実施した。主要評価項目は術後嘔吐の総発生率であった。副次評価項目には、早期と後期の術後嘔吐、術後制吐剤の必要性、最初の経口摂取までの時間、麻酔回復室の在室期間、それぞれの著者によって定義された有害事象が含まれた。95% 信頼区間(95%CI)付きのリスク比(RR)または平均差(MD)を、逆分散重み付けのランダム効果モデルを用いて計算した。

・最終的な分析には、558 人の小児を含む 4 件の無作為化比較試験が含まれた。全患者は、斜視手術を受けた。全静脈麻酔と予防薬単剤投与は、術後の嘔吐(RR 0.99(95%CI 0.77; 1.27); 4 件の試験)、早期(1.48[0.78; 2.83]; 4 件の試験)と後期(0.89[0.56; 1.42]; 2 件の試験)術後期における術後嘔吐を予防する上で同等に有効であった。術後制吐薬の必要性に差はなかった。全静脈麻酔後では有意に早期に飲水と食事を再開したにもかかわらず、PACU 在室期間は群間で差はなかった(MD -1.40時間(-2.01; -0.80)、P<.001)。術中眼心反射の発生が唯一報告された有害事象であり、全静脈麻酔後に発生する可能性がより高かった(1.86[1.01; 3.41])。

・小児患者の術後嘔吐を予防するために、予防薬の単剤投与は全静脈麻酔と同等に有効であると思われる。しかしながら、斜視手術では、全静脈麻酔により、眼心反射による徐脈のリスクが増大する。したがって、麻酔が吸入麻酔薬で維持される場合、その催吐作用は、単剤の予防的制吐薬の追加によって十分に補うことができる。

[!]:吸入麻酔でも制吐剤の単剤予防的投与で同等の効果があるのなら、PONV 予防のためだけにわざわざ全静脈麻酔を選択するのは、煩雑すぎるな。

【出典】
Total intravenous anesthesia vs single pharmacological prophylaxis to prevent postoperative vomiting in children: A systematic review and meta-analysis.
Paediatr Anaesth. 2017 Nov 2. doi: 10.1111/pan.13268. [Epub ahead of print]

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