ラリンジアルマスク挿入条件に及ぼす低用量アトラクリウムの効果:無作為化二重盲式臨床試験

・鎮静剤の両や、下顎筋弛緩は、ラリンジアルマスク(LMA)によって引き起こされる合併症に影響を及ぼす可能性がある。本研究の目的は、白内障手術を受ける患者において、プロポフォールによる麻酔導入後の LMA 挿入条件、合併症、LMA 挿入に対する循環動態反応に及ぼす低用量アトラクリウムの効果を評価することであった。

・本二重盲式無作為化臨床試験研究では、60 人の患者を無作為に 2 群に分けた。初めに、試験群の患者にアトラクリウム 0.15mg/kg の静脈内注射を投与し、対照群の患者に生食 2ml を静脈注射し、その後両群の麻酔をミダゾラム、フェンタニル、リドカイン、プロポフォールで導入した。顎筋弛緩の程度、挿入の容易さ、挿入所要時間、LMA 挿入に対する循環動態と合併症を評価した。

・顎筋弛緩、LMA 挿入の容易さは、試験群のほうが対照群よりも有意に良好であった(P=0.02)。LMA 留置に必要な平均時間は、試験群(5/06±0.52 秒)のほうが対照群(5/76±0.67 秒)よりも有意に短かった(P=0.001)。LMA 挿入に対する循環動態反応は、両群で同様であった。対照群の回復後と 24 時間後の咽頭痛は、試験群よりも有意に高かった(3/30 vs 10/30)(P=0.01)。

・低用量のアトラクリウムを使用すると、LMA 挿入所要時間が短くなり、術後咽喉間が減少する。アトラクリウムはまた、顎の弛緩を増強して、LMAの 留置 を容易にする。

[!]:非脱文強制筋弛緩薬は、大きくアミノステロイド型(パンクロニウム、ベクロニウム、ロクロニウム)とベンジルイソキノリニウム型(アトラクリウム、シスアトラクリウム)に分けられる。後者は日本では使用できないものの、アトラクリウムの気管挿管に必要な投与量は、0.5 ~ 0.6 mg/kg とされており、我々が通常使用しているロクロニウムとほとんど同じ力価と考えられるので、本文献のアトラクリウムはロクロニウムに置き換えて読んでもまず間違いはないだろう。とすると、ラリンジアルマスク挿入時にも、ロクロニウムも同様に 0.15mg/kg を併用してやればよいということになる。

【出典】
Effect of Low-dose Atracurium on Laryngeal Mask Airway Insertion Conditions: A Randomized Double-blind Clinical Trial.
Adv Biomed Res. 2017 Sep 21;6:119. doi: 10.4103/abr.abr_265_16. eCollection 2017

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