股関節手術を受けた高齢者のせん妄予防のための高張食塩水

・術後譫妄(POD)は高齢患者によくある障害であり、神経炎症が根本的なメカニズムである可能性がある。本研究は、高張食塩水(HS)の前注入が高齢患者の POD を軽減できるか否かを調査するために考案された。

・本前向き研究は、股関節手術を受ける 120 人の高齢患者を募集した。患者は対照群(NS 群)と HS 群の 2 群に無作為に分けられた。NS 群の患者には等張性生食を 4mL/kg 前注入し、HS 群患者には 7.5%HS 4mL/kg を前注入した。全 120 例の患者に全身麻酔を施した。炎症因子、すなわち IL-1β、IL-6、IL-10、TNF-α、神経損傷因子 S100βの濃度を測定するために検体を採取した。フローサイトメトリーを用いて、末梢静脈血中の単球数を検出し、炎症とせん妄との関係を評価した。看護譫妄スクリーニングスケール(Nu-DESC)を用いて、術後 1~3 日で認知機能を測定した。

・ランダム効果多変量ロジスティック回帰分析を用いた分析では、麻酔前の HS 投与は、翌日の POD のリスク低下(オッズ比[OR]、0.13; 95%CI、0.04-0.41、P=0.001)と CD14+CD16+単球数減少(β=-0.61; 95%CI、-0.74~-0.48、P=0.000)と関係していた。HS とせん妄の関連性を CD14+CD16+単球数で調整した場合、効果サイズは有意ではなくなった(オッズ比[OR]、0.86; 95%CI、0.14~5.33、P=0.874)。TNF-αは POD と有意に関連していた(オッズ比[OR]、1.10、95%CI、1.05-1.16、P=0.000)。しかし、IL-1β、IL-6、IL-10、S100βは、POD と有意には関連していなかった。

・HS は、高齢患者の POD を軽減することができ、単球による炎症因子の分泌を阻害する可能性がある。

[!]:麻酔前の高張食塩水に投与によって、翌日の術後せん妄のリスクのオッズ比が 0.13 と非常に低くなっている。

【出典】
Hypertonic saline for prevention of delirium in geriatric patients who underwent hip surgery
Journal of Neuroinflammation201714:221

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