腹腔鏡下袖状胃切除術後のスガマデクス vs ネオスチグミンとの呼吸器事象:筋弛緩拮抗戦略を評価する前

・肥満患者の腹部手術は、呼吸器合併症と死亡に関連している可能性がある。一部の患者は残存筋弛緩状態で PACU に到着する可能性がある。本研究の目的は、腹腔鏡下袖状胃切除手術を受ける患者で、筋弛緩薬の種類と術後呼吸器事象の発生率との間に関連があるかどうかを調査することであった。

・2012 年 9 月から 2013 年 2 月までの前向き無作為化予備研究で、腹腔鏡下袖状胃切除術を受ける 57 人の患者の手術終了時に 2 種類の筋弛緩拮抗薬を投与した:スガマデクス 2 mg/kg(32 人) vs ネオスチグミン 2.5 mg(25 人の患者)。著者らは、早期呼吸器事象/後期呼吸器事象/合併症の発生を、拮抗薬の種類別に比較した。術後呼吸数、酸素飽和度(SpO2)、PACU での SpO2<95% の患者数、PACU での SpO2 の最低値、拮抗前の四連反応数(TOF)、予想外の ICU 入室、入院期間、再挿管の発生率が記録された。

・拮抗前の TOF カウントは、スガマデクス群の方が低かった(2.53±0.98 vs 3.48±0.58、p<0.01)、つまり、この群の方が拮抗薬投与前の残存筋弛緩が高度であったにも関わらず、PACU での SpO2は、スガマデクス群(96.72(±0.011))よりもネオスチグミン群(95.80(±0.014))の方が低かった。また、PACU での最低 SpO2 はネオスチグミン群のほうが有意に低かった:93% vs 94%(p=0.01)。呼吸数は変わらなかった。拮抗薬投与後、両群とも TOF 数は 4 であり、視覚的に評価された減衰はなかった。術後の呼吸器症状や合併症はなかった。

・腹腔鏡下袖状胃切除術後の拮抗薬としてのスガマデクス(ネオスチグミンと比較して)の使用は、拮抗薬の投与前の TOF 数が低いにもかかわらず、術後 SpO2 の高値と関連していた。SpO2 には統計的差がみられたものの、その臨床的意義はほとんどないようである。その他の測定変数に差がなかったのは、研究対象患者数が少なかった(予備研究)せいかもしれない。

[!]:肥満患者を対象とした腹腔鏡下袖状胃切除手術なら、スガマデクスとネオスチグミンで、臨床的に有意な差が出そうだが、あまりなしか。手術侵襲の程度や所要時間にもよるのかな。

【出典】
Respiratory events with sugammadex vs. neostigmine following laparoscopic sleeve gastrectomy: a prospective pilot study assessing neuromuscular reversal strategies.
Rom J Anaesth Intensive Care. 2017 Oct;24(2):111-114. doi: 10.21454/rjaic.7518.242.evr.

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