Q:「MACOCHA スコア」とは?

A:MACOCHA スコアは、ICU での気管挿管に際して、挿管困難を予測するためのスコアリングシステムである。
気道確保困難を予測するためのスコアリングシステムは、麻酔科領域では、すでにいろいろな実用的なシステムが考案されている。
気道スコア(Airway Score)
気道困難スコア(Airway Difficulty Score)
簡易気道リスク指数(Simplified Airway Risk Index:SARI)スコア

しかし、これらのシステムは、麻酔科医が手術予定患者を術前診察する際に、気道確保困難の可能性を評価する場合には適しているが、必ずしも集中治療室で気管挿管を行う患者にも、そのまま通用するものではない。

なぜなら、全身麻酔を行うために気管挿管を必要とする患者のほとんどは、全身状態が比較的良好であり、麻酔に耐えうるだけの余力があるのに対して、ICU で気管挿管を必要としている患者は、主に急性呼吸不全の患者であり、ほとんど全員が重症の臓器障害を有しているからだ。

このような症例では、挿管中~後に、低酸素血症や循環虚脱のリスクが高まっている。すでに呼吸筋力が低下しており、肺の酸素化能も低下しているため、手術室での待機的挿管よりも低酸素血症となる危険性はずっと高い。また、低酸素症や高二酸化炭素血症のために、交感神経系の緊張度は既に高度となっており、少量の鎮静剤投与によっても容易に循環虚脱を生じうる。

鎮静状態や昏睡状態のために、コミュニケーションが取れず、十分な評価が行えないことも多い。また気管挿管前の十分な前酸素化が不可能なことも多い。加えて、気管挿管を行う施術者が、毎日のルーチンワークとして気管挿管を行っている麻酔科医ではないこともリスクを高める要因の一つとなっている。

こうした背景から、MACOCHA スコアには、患者気道の解剖学的因子 4 項目[Mallampati スコア III/IV(5)、閉塞性無呼吸症候群(2)、頸椎可動制限(1)、開口制限<3cm(1)]の他に、病態関連因子 2 項目[昏睡(1)、高度低酸素血症(<80%)(1)]と術者関連因子 1 項目[非麻酔科医師(1)]が加えられて、全 7 項目からなる合計 12 点満点のスコアリング・システムとなっている。

M:Mallampati III/IV
A:Apnea syndorome (obstructive)
C:Cervical spine limitaiton
O:Opening mouth<3cm
C:Coma
H:Hypoxaemia
A:Anesthetist non-trained

画像
0 点~12 点で評価し、0 点=容易、12 点=非常に困難


<評価>
スコア≦3 なら ICU 研修生でもほぼ初回で成功することが多い。
スコア≧8 なら ICU 研修生は 1 回では挿管できない。

<関連記事>
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