重症筋無力症患者の胸腺摘出術後の人工呼吸基準:後ろ向き的分析

・研究の目的は、重症筋無力症患者の胸腺摘出術後の術後人工呼吸の基準を調査することであった。

・三次医療センターでの後ろ向き研究で、胸腺摘出術を受けた重症筋無力症患者 77 名を対象とした。施設倫理委員会からの承認を得た後、2005 年 1 月から 2015 年 12 月に胸腺摘出術を受けた MG 患者 77 人の診療録を後ろ向き的に検討した。患者診療録から収集された周術期変数は、人口統計学的データ、疾患持続期間、オッザーマンおよびジェンキン分類、抗アセチルコリン抗体(AChR)陽性、術前の一日投薬量、術前の筋無力症クライシスの既往、術前肺活量、麻酔法、麻酔に使用した薬剤、周術期合併症、術後の人工呼吸の持続期間などが含まれた。患者は、術後人工呼吸の必要時間が、300 分未満か、300 分超かで、それぞれ I 群と II 群の 2 群に分けられた。長期の術後人工呼吸の決定要因が研究された。

・人工呼吸の必要性は、重症筋無力症のオッサーマン重症度が高い患者の方が高かった。この疾患の罹病期間は、胸腺切除後の重症筋無力症患者の人工呼吸の持続時間になんら影響しなかった(p=0.89)。重症筋無力症クライシスの病歴を有する患者では、長期の人工呼吸がが必要であった(p=0.03)。術前肺活量が 2.9L 未満で、術前 CT スキャンが胸腺腫を示す患者は、長期人工呼吸が必要であった、それぞれ、p<0.001 と 0.035。抗アセチルコリン抗体陽性を示した患者は、人工呼吸が長期にわたった。(p=0.026)。ピリドスチグミンの術前用量と、当日の抗コリンエステラーゼの継続または中止の選択は、人工呼吸の持続時間に影響を与えなかった(それぞれ、p=0.19 と 0.36)。硬膜外鎮痛は、人工呼吸の必要性を有意に減少させた(p=0.006)。

・本研究により胸腺摘除術を受ける重症筋無力症患者における術後人工呼吸の予測因子は以下の通りである。1.重症筋無力症の重症度、2.術前筋無力症クライシスの病歴、3.抗アセチルコリン抗体陽性、4.胸腺腫の存在、5.肺活量<2.9L 未満である。併用麻酔法の一部としての胸部硬膜外麻酔の使用は、これらの患者の人工呼吸の必要性を低減するのに役立つ。

[!]:重症筋無力症患者での胸部硬麻はやはり有用なようだ。

【出典】
Criteria for Postoperative Mechanical Ventilation After Thymectomy in Patients With Myasthenia Gravis: A Retrospective Analysis
Journal of Cardiothoracic and Vascular Anesthesia Published online: December 5, 2017

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