気管チューブの推奨カフ圧達成:抵抗消失シリンジをパイロットバルーン触診と比較する無作為化対照研究

・気管チューブカフの膨張不足と過膨張は、患者に重大な害をもたらす可能性がある。安全なカフ圧(20~30 cmH2O)を確立し、維持するための最適な技術は、カフ圧測定器であるが、特に、入手コストと保守によってその使用が制限されている医療資源の限られている場合には、これは広く利用できない。そこで、麻酔担当者は、一般に、安全な気管チューブカフ圧を推定するために主観的方法に頼っている。本研究は、気管チューブカフ圧を推定する際に、抵抗消失シリンジ法の有効性を調査することに着手した。

・これは無作為化臨床試験であった。ウガンダのムラゴ病院で待機的手術に際して全身麻酔を受ける予定の成人患者を登録した。試験参加者は、抵抗消失シリンジか、またはパイロットバルーン触診のいずれかによって気管チューブをカフ圧を推するように無作為化された。測定された圧を記録した。

・178 人の患者を分析した。抵抗消失群の患者の 66.3%(59/89)は、カフ圧が推奨範囲内であり、パイロットバルーン触診法では、22.5%(20/89)であった。これは統計的に有意であった。

・抵抗消失シリンジ法は、推奨範囲に圧を設定する際に、パイロットバルーン触診よりも優れていた。この方法は、カフ膨張に実行可能な選択肢を提供する。

[!]:シリンジの受動開放法(Passive Release Technique)で設定した気管チューブのカフ圧が、適正範囲内に収まるかどうかは、使用するシリンジ次第、つまり、どこのメーカーのどのサイズのシリンジを使うかが重要だ。海外のメーカーの注射用シリンジは、けっこう抵抗が強いため、カフ圧としては過剰になってしまうようだ。そこで、この研究では、通常のシリンジよりも抵抗の低い硬膜外麻酔用の抵抗消失法用シリンジ(LOR シリンジ: Loss of resistance syringe)を使用したようだ(メーカー:BD Discardit II)。私見では、テルモ社製のディスポーザブルシリンジ 10ml がベストだ。
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【出典】
Achieving the Recommended Endotracheal Tube Cuff Pressure: A Randomized Control Study Comparing Loss of Resistance Syringe to Pilot Balloon Palpation
Anesthesiology Research and Practice Volume 2017 (2017)

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