気管チューブカフ膨張のためのシリンジを用いた受動開放法の有効性、嗜好度、容易さ

・不適切なカフ膨張は、多くの合併症を引き起こす。従来のパイロットバルーン触診法は、高いカフ圧を検出するには不十分であるが、依然として好まれている。そこで本研究では、気管チューブカフの膨張のための「受動的開放法」と呼ばれる新たな推定法の有効性、嗜好度、使い易さを確認するために本研究を行った。

・29 人の看護師が、7.5 mm の気管チューブを挿入したマニキンでパイロットバルーン触診法によってカフを膨らませた。その後、受動開放法について教育を受け、受動開放法を用いてカフを膨らませた。カフ内内圧と空気量は、圧力計とシリンジによって測定した。2 つの方法間の嗜好度と使用の容易さは、10 点のリカートスケールを用いて採点した。

・パイロットバルーン触診法では、4 人の看護師(13.8%)だけが正常圧範囲(正常 15~30mb)内にカフを膨張させ、平均 39.3±34.0cmH2O であった。受動開放法では、19 名の看護師(65.5%)が正常範囲内にカフを膨張させ、平均 24.2±9.3cmH2O であった(McNemar's test、p<0.01)。パイロットバルーン触診法では、膨張空気量 7.8±2.0ml は、受動開放法による膨張空気量 8.5±1.2ml と有意差がなかった(p=0.07)。しかし、分散比検定(F検定)では統計的に有意であることが見出された(p<0.01)。 2 つの方法間の嗜好度と使用の容易さの観点から、平均値には、統計的に差がなかった、それぞれ 7.3±2.0 vs 7.0±2.0 および 7.0±2.3 vs 7.3±2.4の。

・直接のカフ内圧測定が利用できない場合、シリンジを用いた受動開放法は、カフ膨張を達成するための効果的かつ容易な方法である。
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[!]:「10ml シリンジ法」は、別のシリンジやカフ圧計に付け替えることなく、カフ注入に使用しているシリンジをそのまま使用するので、非常に簡単に適正カフ注入ができる。触診法は主観が入るため再現性に乏しいが、シリンジを使用することで、術者間、術者内再現性が非常に高くなる。

【出典】
Effectiveness, Preference and Ease of Passive Release Techniques Using a Syringe for Endotracheal Tube Cuff Inflation.
J Korean Soc Emerg Med. 2010 Dec;21(6):795-800. Korean.

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