救急部での気管挿管患者の適切なカフ圧を得るための LOR シリンジの応用

・気管チューブカフ圧は最適範囲内に保たなければならない。本研究は、救急部の気管挿管患者の適切なカフ内圧を得る際に、10cc の使い捨てシリンジを使用する従来のパイロットバルーン触診法と、Loss of Resistance(LOR)シリンジを使用した受動開放法の有用性を比較した。

・これは、大学付属教育病院の救急部で行われた、前向き観察研究であった。本研究では、救急部で気管挿管が必要な患者を登録した。患者は、従来のシリンジを用いたパイロットバルーン触診法を受けた群(A 群、n=40)と、LOR シリンジ法を用いた受動開放法を受けた他群(B 群、n=40)の 2 群に分けられた。カフ内に注入された空気量とカフ圧が測定された。

・A 群と B 群の平均カフ圧は、それぞれ 41.0±23.7cmH2O と 23.7±16.5cmH2O であった。A 群の平均カフ圧のほうが、B 群よりも有意に高かった(p=0.002)。A 群と B 群のカフに注入された平均空気量は、それぞれ 8.6±2.6 ml と 7.6±2.4 ml であり、有意差は認められなかった(p=0.688)。A 群(9/40、22.5%)の最適カフ圧(正常範囲:22-32 cmH2O)の割合のほうが、B 群(3/40,7.5%)よりも高かった。

・カフ膨張のための空気の量と圧の範囲は様々であり、LOR シリンジを用いて適切な圧を得ることは不可能である可能性がある。気管チューブのカフ圧は、圧モニタ調節インフレータを用いて最適範囲内に保たなければならない。

[!]:使用する LOR シリンジによっては、摩擦抵抗が少なすぎるために適正なカフ圧にならないことがある。本研究で使用された LOR シリンジは、 Portex 社製の LOR シリンジだ。LOR シリンジの方が通常のシリンジよりは摩擦抵抗のバラつきが少ないように設計されいるのだろうが、結局は、バラつきが少なく、かつ、適正圧範囲内に設定できるシリンジを選択するのが肝要である。メーカーとサイズが必要条件!テルモの 10ml シリンジが最適だと思う(私見)。
画像

【出典】
Application of a Loss of Resistance Syringe for Obtaining the Adequate Cuff Pressures of Endotracheal Intubated Patients in an Emergency Department
Journal of The Korean Society of Emergency Medicine 2012;23(6): 769-775.

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