Q:小児のセボフルラン吸入導入で、静脈ライン確保の最適時間は?

A:以下に当ブログで紹介した文献の要点をまとめておく。

1.「セボフルラン+酸素」の場合は、睫毛反射消失後 3.5 分とするのを推奨する。
小児でセボフルラン導入後の静脈路確保の最適時間
・年齢:4~10 歳
・前投薬 ?
・O+S
・50% 成功 1.90 分
・95% 成功 3.32 分

2.前投薬なしで「セボフルラン+酸素+亜酸素化窒素」の場合は、睫毛反射消失から 1 分 45 秒(105 秒)とするのを推奨する。
前投薬なしの小児で、セボフルラン+酸素+亜酸素化窒素による導入後の静脈内カニューレ挿入最適時間
・年齢 2~6 歳
・前投薬なし
・G+O+S

3.経口ミダゾラムの前投薬をした場合、
睫毛反射消失後 2 分間待つことを推奨する。
ミダゾラムを前投与した小児でセボフルラン+酸素+亜酸素化窒素による導入後の静脈内カニューレ挿入の最適時間
・年齢 2~6 歳
・ミダゾラム経口前投薬
・G+O+S

4.小児の年齢による相違
「セボフルラン+酸素」で導入した場合、年齢 1-3 歳、3-7 歳、7-10 歳で、それぞれ、平均(95% 信頼区間)時間は、それぞれ 53.6(40.0-67.1)、105(62.6-147.4)、143.6(108.8-178.4)秒であった。
小児の異なる年齢層でのセボフルラン麻酔導入後の静脈内カニューレ挿入の最適時間の評価
・年齢層が異なると倍以上異なる。

最適時間に影響する因子としては、
(1)亜酸化窒素を併用するかどうか
(2)前投薬の有無
(3)年齢
(4)急速吸入導入に使用するセボフルラン最高濃度
が考えられる。

吸入導入時に、亜酸化窒素を併用するのは、二次ガス効果を期待して、麻酔導入をスムーズにするので当然として、前投薬はどうだろうか。前投薬を行うと、やや呼吸が抑制されるために、揮発麻酔薬の吸入導入はかえって時間がかかるのかもしれない。

当院では、10 年以上前から、保護者同伴の入室にしてからはいっさい前投薬は行っていないが、あまり必要性を感じたことがない。前投薬なしで、GOS 導入するとして、もっとも静脈ライン確保最適時間に影響するのは年齢のようだ。

海外では通常 8% セボフルランを使用しているので、日本で最高濃度が 5% の気化器を使用しているのなら、上記の報告よりはライン確保最適時間は確実に長くなるはずだ。

ということで、以上を総合すると、睫毛反射消失後、
・年齢 1-3 歳では、1.5 分
・年齢 3-7 歳では、2.5 分
・年齢 7-10 歳では、3.5 分
程度待ってからライン確保するのが良さそうだ。

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