小児の異なる椎骨レベルでの硬膜脊髄間距離と硬膜外鎮痛に及ぼすその意義:MRI に基づく後ろ向き研究

・硬膜から脊髄までの距離は、異なる椎骨レベルで一様ではない。硬膜と脊髄間の距離は、硬膜穿刺後に、針の外傷によって引き起こされる神経学的損傷の可能性を回避する上で重要な要素となり得る。典型的には、硬膜脊髄間距離が大きいほど、潜在的な安全域が大きくなる。本研究の目的は、MRI 画像を用いて、2 つの胸部レベル T6-7、T9-10 と 1 つの腰部レベル L1-2 で、硬膜から脊髄までの距離を測定することである。

・年齢 8 歳未満の小児 88 名が試験に適格であった。黄色靭帯の硬膜側から脊髄の後縁までの距離を、硬膜脊髄間距離と定義した。胸椎と腰椎の矢状 T2 強調画像を用いて、T6-7、T9-10、L1-2 間隙での硬膜脊髄間距離を測定した。測定は各レベルで椎体の長軸に対して垂直に行った。

・T6-7 では硬膜脊髄間距離は 5.9±1.6mm(範囲:1.4~9.9mm)、T9-10 では 5.0±1.6mm(1.2~8.1mm)、L1-2 では 3.6±1.2mm(1.2~6.8mm)であった。性別、年齢、身長、体重による硬膜脊髄間距離に及ぼす明らかな差はなかった。

・本研究では、最大の硬膜脊髄間距離は T5-6 レベルで見られ、最短の硬膜脊髄間距離は L1-2 レベルで見られたと報告されている。胸椎レベルでの背側のくも膜下腔には、相当多くの空間があるようである。胸部領域と比較して、腰部領域の方が脊柱管内で脊髄が背側に位置するするため、偶発的な硬膜外針の前進に起因する脊髄損傷の危険性は大きくなり得る。

[!]:胸椎レベルの方が、より上位なので、脊髄損傷を起こした時の結果は重大だと思い込んでいたが、解剖学的には、腰椎レベルの方が実際の危険性は大きいようだ。、

【出典】
Dura to spinal cord distance at different vertebral levels in children and its implications on epidural analgesia: A retrospective MRI-based study
Paediatric Anaesthesia First published: 6 February 2018

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