肥満は脊椎麻酔の転帰と独立して関連している:前向き観察研究

・脊椎麻酔に及ぼす肥満指数(BMI)の影響は依然として議論の余地があり、これまでの研究では矛盾した結果が報告されている。肥満および非肥満の被験者における脊椎麻酔を比較するために、クモ膜下高比重ブピバカインを用いて脊椎麻酔を受けた患者の麻酔経過を比較した。

・脊椎麻酔下での全膝関節置換術(TKRA)手術を受けた合計 209 人の患者を、NO(非肥満)群(BMI<30kg/m2、n=141)と O(肥満)群≧30kg/m2、n=68)に分けた。麻酔は、クモ膜下薬物投与 15 分以内に両側の T12 知覚ブロックが生じた場合、および手術終了時ぶ知覚ブロックのレベルが T12 より高い場合に成功したと見なされた。脊椎麻酔に影響を及ぼすことが知られている複数の変数を用いたロジスティック回帰分析を実施して、どのパラメータが脊椎麻酔の結果を独立して決定したかを同定した。同用量のブピバカインを NO 群と O 群に投与した。
・O 群の方が麻酔失敗の発生率が有意に低かった(NO 群で n=43(30.5%)、O 群で n=10(18.9%)、p=0.014)。


全患者で麻酔成功の独立予測因子は、高比重ブピバカイン用量(オッズ比(OR) 2.12,95%CI:1.64-2.73)、肥満状態(BMI≧30kg/m2、OR 2.86,95%CI:1.25- 6.52)であった。術後痛の初回報告までの時間と初回自力排尿までの時間は、O 群で有意に長かった。これらの結果から、肥満患者では高比重ブピバカインによるブロック持続時間が長くなり、ブピバカイン用量と同様に、肥満は脊椎麻酔のアウトカムと独立して関連していることが示唆される。

・肥満が脊椎麻酔に及ぼす影響を確認するためには、病的肥満患者を対象として、ブピバカイン固定用量を使用した、さらなる研究が必要である。

[!]:肥満、妊娠→下肢静脈血うっ滞→硬膜外静脈叢怒張→クモ膜下腔狭小化→クモ膜下局所麻酔薬必要量の減少というようなメカニズムが想定されている。

【出典】
Obesity Is Independently Associated with Spinal Anesthesia Outcomes: A Prospective Observational Study
PLoS One. 2015; 10(4): e0124264. Published online 2015 Apr 21.

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