術後咽頭痛:気管挿管によるリグノカインゼリーとスプレーの効果

・Sensiv チューブ(Searle Medical Products)を用いて挿管した後の、咽頭痛、嗄声、あるいは咳傾向または明らかな咳嗽のいずれかによって示される気管過敏性の発生頻度に及ぼす、喉頭リグノカインスプレーとリグノカインゼリーの潤滑剤としての効果を研究した。

・中容量低圧カフで圧を制御し、麻酔中に 2.5kPa(25cmH2O)以下に維持した。94 人の手術患者の副作用が、二重盲式法で、回復室と術後初日に記録された。

・対照群では副作用のある患者(62%)が最も少なく、リグノカインゼリーとスプレーの併用後では最大(95%)であった(P<0.05)。リグノカインゼリーのみの場合の副作用数は 85% であり、スプレー単独後の副作用数は 68% であった。女性は男性よりも副作用、特に喉頭痛や嗄声が多い傾向があった(P<0.05)。人為的低血圧は副作用の発生率を増加させなかった。気管内カフ圧も、N2O-O2 麻酔中の 114 人の患者と、N2O を窒素で置換した後の 54 人の患者においても調べられた。必要とした最小閉塞圧は 1kPa(10cmH2O)であった。N2O を投与された患者の 42% において、平均時間 74 分(範囲 25~180 分)の麻酔中に 2.5kPa(25cmH2O)の限界値に達した。N2O を窒素で置換した後、カフ圧は、40分かけて 1.8kPa(18cmH2O)から 0.7kPa(7cmH2O)に減少した。

・スプレーを併用したリグノカインゼリーは、術後副作用を有意に増加させると結論づけられる。

[!]:なんと 30 年も前(!)に、リドカインスプレーもゼリーも使用しない群がもっとも副作用が少なかったと報告されている。リドカインスプレーには有機溶媒的な性質があるので、気道粘膜にはよくないのだろう。またリドカインゼリーは、乾くとカピカピになることから、あのような物質が、咽喉頭や気管内に押し込まれるのだと考えると、副作用が多いのも「然もありなん」という感じだ。

【出典】
Post-operative sore throat: effect of lignocaine jelly and spray with endotracheal intubation.
Eur J Anaesthesiol. 1988 Nov;5(6):391-9.

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