生体ドナー肝切除後のドナー 992 人の術後凝固機能とスガマデクス vs ピリドスチグミン

・肝切除は術後凝固障害と関連する可能性があるが、ドナーの安全性は生体ドナー肝移植における主要な関心事である。最近、スガマデクスの使用は徐々に増加しているが、スガマデクスはプロトロンビン時間(PT)と活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)を延長することが知られている。著者らは、生体ドナー肝切除術を受けたドナーの術後凝固機能とスガマデクス vs ピリドスチグミン群の転帰を比較した。

・2013 年 9 月から 2016 年 8 月までに実施された一連のドナー肝切除術を後ろ向き的に分析した。ロクロニウム誘発性筋弛緩を拮抗させるために、ドナーはスガマデクス 4mg/kg か、またはピリドスチグミン 0.25mg/kg を投与された。主要評価項目は、検査所見(PT、aPTT、ヘモグロビン、血小板数)と臨床的に評価された術後出血(出血のための再開腹術、ドレーン中に収集された累積量)であった。副次評価項目は、麻酔時間と術後在院期間であった。

・筋弛緩の拮抗は、992 人のドナーのうち 383 人がスガマデクスで、609 人がピリドスチグミンで行われた。両群間で、ヘモグロビンと血小板低下、PT、aPTT の延長、24 時間の排液量に有意差はなかった。24 時間以内の出血症状は、ピリドスチグミン群では 2 人(0.3%)、スガマデクス群では 0 人(0%)(P=0.262)と報告されている。麻酔時間は、ピリドスチグミン群ではスガマデクス群よりも有意に長かった(438.8±71.4 vs 421.3±62.3、P<0.001)。術後在院期間は、ピリドスチグミン群ではスガマデクス群よりも有意に長かった(P=0.002)。

・スガマデクス 4 mg/kg は、出血傾向の増悪に関連しなかったが、麻酔時間と入院期間の減少と関連していた。したがって、スガマデクスは安全に使用することができ、生体ドナー肝切除を受けるドナーの合併症率を低下させるであろう。

[!]:「スガマデクスは PT と aPTT を延長することが知られている」というのは知らなかったな。

【出典】
Comparison of postoperative coagulation profiles and outcome for sugammadex versus pyridostigmine in 992 living donors after living-donor hepatectomy.
Medicine (Baltimore). 2018 Mar;97(11):e0129. doi: 10.1097/MD.0000000000010129.

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