後腹膜腹腔鏡下手術における予期せぬ 30 日再入院率に及ぼす高用量 vs 低用量筋弛緩剤投与の影響

・最近のデータは、高用量のロクロニウムを投与することによって誘発される筋弛緩(NMB)が、特定の処置において術野状態を改善することを示している。しかし、術後転帰に及ぼすそのような診療の効果に関するデータは限られている。著者らは、腹腔鏡下後腹腔内手術の全身麻酔時に高用量と低用量のロクロニウムを投与した患者における予定外 30 日以内再入院を比較するために後ろ向き分析を行った。

・本後ろ向きコホート研究は、2015 年 7 月以来ルーチンの高用量ロクロニウム NMB が実施されているオランダの大学関連病院で行われた。2014 年 1 月から 2016 年 12 月までに麻酔を受けた患者の診療録から、高用量ロクロニウムを投与された手術症例を検索して、術式、年齢、性別、ASA 分類の点で、低用量ロクロニウムを投与された患者群に相応させた。主要術後転帰は、予定外 30 日以内再入院率であった。

・各群には 130 人の患者が含まれた。高用量ロクロニウム群と低用量ロクロニウム群の患者はそれぞれ 217±49 vs 37±5mg のロクロニウムを投与されていた。高用量ロクロニウム群では、神経筋活動は一貫してモニターされた。対応する患者は必ずしもモニターされなかった。高用量ロクロニウムを投与された全患者は、スガマデクスで拮抗されたが、対応する患者群では 33% だけがスガマデクスで拮抗され、20% はネオスチグミンで拮抗された。残りの患者は拮抗を行なわなかった。予定外 30 日以内再入院率は、低用量ロクロニウム群と比較して高用量群で有意に低かった(3.8% vs 12.7%、p=0.03、オッズ比=0.33、95%C.I. 0.12-0.95)。

・この小規模の後ろ向き研究は、低用量筋弛緩麻酔に比べて高用量筋弛緩薬で麻酔を行い、スガマデクスで拮抗した腹腔鏡下後腹膜腔手術後 30 日以内の予定外再入院の発生率が低いことを証明している。著者らの治験を確認し、そのような診療の利点(再入院の減少)と害(筋弛緩剤と拮抗剤の費用)を考慮に入れて、高用量筋弛緩麻酔の薬物経済学をさらに評価するためには、大規模な標本でのさらなる前向き研究が必要である。

[!]:深い筋弛緩による術野の改善が手術の完璧性を高めた結果、退院後の再入院が減ったという事なのだろうか?

【出典】
Impact of high- versus low-dose neuromuscular blocking agent administration on unplanned 30-day readmission rates in retroperitoneal laparoscopic surgery.
PLoS One. 2018 May 23;13(5):e0197036. doi: 10.1371/journal.pone.0197036. eCollection 2018.

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