Q:MAC(BIS50) とは何か?

A:最小肺胞濃度(minimum alveolar concentration)から派生した概念が多数ある中で、揮発性麻酔薬の脳に対する効力、つまり鎮静効果の力価を示す指標として考案されたのが、MAC(BIS50)(あるいは、MACBIS50 とも表記される) である。

MAC(BIS50) とは、50% のヒトで バイスペクトラル BIS 値を 50 以下に維持するために必要な吸入麻酔薬の濃度を指す。残りの 50% のヒトは、BIS 値>50 である。

【文献1】:加齢は、BIS を 50 以下に維持するためのイソフルランとセボフルランの最小肺胞濃度を低下させる
Advance of age decreases the minimum alveolar concentrations of isoflurane and sevoflurane for maintaining bispectral index below 50
この論文によると、
● イソフルランの MAC(BIS50)は、若年、中年、高齢患者で、それぞれ呼気終末で 0.82%、0.67%、0.56%。
● セボフルランでは、それぞれ、1.28%、0.97%、0.87% であった。

【文献2】:BIS を 50 未満に維持するためのデスフルラン濃度の年齢依存的減少
Age‐dependent decrease in desflurane concentration for maintaining bispectral index below 50
デスフルランで同様の研究を行った結果、
● デスフルランの MAC(BIS50) は、若年、中年、高齢患者で、それぞれ 4.25%、3.58%、2.75% であったとしている。

【文献3】:小児で BIS 値を 50 以下に維持する際の年齢とセボフルラン MAC との関係
The relationship between age and minimum alveolar concentration of sevoflurane for maintaining bispectral index below 50 in children
● 小児で、セボフルランの MAC(BIS50)は、2~4 歳群では 2.33%、5~9 歳群 2.10% であった。1 歳群では、呼気終末セボフルラン濃度が 4.0% に達しても BIS 値が 50 を超えたままであった。2 歳未満の小児では、BIS を使用して麻酔深度を評価するのは信頼性がないと結論付けている。

【文献4】:病的肥満患者での BIS を 50 以下に維持するセボフルランの最小肺胞内濃度
Minimal alveolar concentration of sevoflurane for maintaining bispectral index below 50 in morbidly obese patients
● 病的肥満患者で、セボフルランの MAC(BIS50)は 1.6±0.10% であった。

吸入麻酔薬は個人差が少ないので、BIS をモニターしていなくても、鎮静を目的とする場合、MAC(BIS50) 程度の濃度で麻酔を行っていれば、十分な鎮静度を維持できると考えられる。

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Q:揮発麻酔薬の維持濃度はどうするか?

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