手術室外の緊急気管挿管のためのビデオ喉頭鏡 vs 直接喉頭鏡:系統的レビューとメタ分析

・ビデオ喉頭鏡検査(VL)は、直接喉頭鏡検査(DL)と比較して、気管挿管の成功を改善する可能性がある。

・著者らは、手術室外の緊急気管挿管で VL と DL を比較した研究について、PubMed、Embase、CENTRAL データベースで系統的検索を行った。主要評価項目は、初回挿管試行成功の割合であり、場所、使用した器具、臨床医の経験、臨床シナリオによるサブ群分析を行った。副次評価項目は合併症率であった。データは[オッズ比(95%信頼区間); P-値]で提示した。

・著者らは 1564 件の緊急挿管を用いた 32 件の研究を同定した。VL と比較して初回挿管試行成功に差はなかった(OR=1.28、(0.99-1.65)、P= 0.06]。集中治療室(ICU)では、初回挿管試行成功は、DL と比較して VL で増加し[2.02(1.43-2.85);P<0.001]、救急部や病院前設定では同様であった。グライドスコープでは初回挿管試行成功は同様であったが、C-MAC では改善された(1.32(1.08-1.62)、P=0.007]。初心者/訓練生の臨床医では、DL と比較して VL による初回挿管試行成功が多かった[OR=1.95(1.45-2.64)、P<0.001]が、経験豊富な臨床医や救急隊員/看護師ではそうではなかった。心肺蘇生中や外傷時では、DL と比較して初回挿管試行成功に VL との差はなかった。DL と比較してVLは食道挿管数が少なかった[OR=0.32(0.14-0.70)、P=0.003]が、低血圧の頻度が多かった[OR=1.49(1.00-2.23)、P=0.05]。

・要約すると、DL に比較して VL は、ICU 内で、そして経験の少ない臨床医による緊急挿管の初回試行成功と関係しており、食道挿管を減少させる。しかし、VL は、低血圧の高い発生率と関連している。特定の状況における VL の DL に優る有用性を調査するさらなる試験が必要である。

[!]:初心者や経験の少ない医師にとっては、ビデオ喉頭鏡は有用だ。料理の初心者にはいろんな種類の切る道具が必要だが、プロ料理人には包丁だけで十分みたいな。

【出典】
Videolaryngoscopy versus direct laryngoscopy for emergency orotracheal intubation outside the operating room: a systematic review and meta-analysis.
Br J Anaesth. 2018 Apr;120(4):712-724. doi: 10.1016/j.bja.2017.12.041. Epub 2018 Feb 26.

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この記事へのコメント

silkhat
2018年07月08日 07:47
血圧は、より愛護的にできたことの裏返しなんですかね、良いのか悪いのか…若い頃はストレスフリーに躍起になってましたが、最近は多少血圧上がるくらいが無難かとも思ったり…。
SRHAD-KNIGHT
2018年07月09日 07:10
silkhat 様、コメントありがとうございます。
昔、フェンタニルを併用せずに導入していた頃は、鎮静剤の血管拡張作用、心抑制作用による血圧低下を、喉頭や気管への刺激→交感神経緊張→内因性カテコラミン放出によって、相殺させていましたね。その頃に比べると、患者さんへの侵襲は少なくなり、導入時の不整脈の発生などは減ったのでしょうが、導入後の低血圧は多くなっているかもしれませんね。

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