閉塞性睡眠時無呼吸症候群における筋弛緩薬および/または拮抗薬に伴う術後合併症:系統的レビュー

・筋弛緩薬(NMBD)は、挿管を容易にし、外科処置のための筋弛緩を達成するために術中に投与される。NMBD の不完全な拮抗は術後期に有害事象を引き起こす可能性がある。閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の患者は、NMBD の使用に関連する合併症のリスクがより高い可能性がある。この系統的レビューの目的は、1) OSA 患者が非 OSA 患者よりも NMBD の使用による術後合併症のリスクが高いこと、および 2) NMBD 拮抗薬の選択が OSA 患者における術後合併症のリスクに影響するかどうかを調査することであった。

・複数のデータベースの文献検索を 2017 年 4 月まで実施した。包含基準は以下:(1)睡眠ポリグラフまたは病歴で診断されるか、スクリーニング質問票によって OSA が疑われた成人手術患者(年齢 18 歳以上)、(2) 術中に NMBD および/または NMBD 拮抗薬を投与された患者、(3)術後有害事象、特に呼吸器事象に関する報告が入手可能、(4)発表された研究は英語であった。(5) RCT または観察コホート研究。エビデンスの質は、Oxford Center for Evidence Based Medicine のエビデンスの質によって決定された。

・4123 件の研究のうち、1126人の患者を含む 5 件の研究(2 件の RCT と 3 件の観察研究)が適格とみなされた。これらの研究は異質性が高く、結果のメタ分析は不可能であった。NMBD を投与された OSA 患者は、非 OSA 患者と比較して、低酸素血症、残存筋弛緩、呼吸不全といった術後肺合併症(PPC)を発症するリスクが高い可能性があることを 3 件の研究のうち 2 件(RCT 1 件、観察研究 2 件の)が報告した。2 件の研究(1 件の RCT、1 件の観察研究)は、ネオスチグミンよりもスガマデクスで拮抗した OSA 患者の方が、PPC と胸部 X 線撮影の変化が少なかったが、含まれた研究の質はオックスフォードのエビデンスレベルで低~中等度であった。

・術中 NMBD を受けた OSA 患者は、非 OSA 患者と比較して、術後低酸素血症、呼吸不全、残存筋弛緩のリスクがより高い可能性がある。OSA 患者では、ネオスチグミンよりもスガマデクスを用いた NMBD 拮抗の方が、少ない PPC と関連する可能性があるという、非常に限られてはいるがいくつかのエビデンスがある。より質の高い研究が必要である。

[!]:OSA 患者では、筋弛緩薬と拮抗薬の使用に関しては、非 OSA 患者に比べてより注意を要する。必要最小限の投与量とし、拮抗は必ずスガマデクスを使用すること。

【出典】
Postoperative complications with neuromuscular blocking drugs and/or reversal agents in obstructive sleep apnea patients: a systematic review
BMC Anesthesiology 2018 18 : 91

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