筋弛緩剤の術中投与パターンの検討

・手術中に深い筋弛緩(NMB)の使用を記載する文献が増えている。NMB の深さの伝統的定義は、四連反応評価に依存しており、これは後ろ向き研究では信頼性が低くなる可能性がある。本研究の目的は、症例経過中に使用した NMBA 量を活用し、患者の体重と症例持続時間で合わせて調節された、NMB の深さの代理尺度として、筋弛緩剤(NMBA)の実際の投与パターンを調査することであった。著者らはまた、NMBA 用量が多い場合の症例因子を同定することを目的とした。

・この麻酔情報管理システムの後ろ向き的観察分析では、著者らは中時間作用性 NMBA が使用された 2012 年から 2015 年までの気管挿管全身麻酔症例を分析した。長時間作用性 NMBA やサクシニルコリンのみを用いた症例は除外した。患者の理想体重と薬物の ED95 に対して正規化した NMB の累積投与量に基づいて、症例の予測持続時間を算出した。症例の予測時間が症例記録に記録されている実際の症例持続時間よりも長い場合は、高用量(HD)と分類された。予想された時間が実際の時間以下であった場合は、予測用量(PD)とみなされた。HD 群と PD 群との間で分類別比較が、様々な患者、術式、麻酔提供者の要因について行われた。

・最終分析に 72,684 例が含まれ、そのうちの 46,358 例(64%)が HD を使用していた。病的肥満、年齢 65 歳未満、ASAーPS が低い分類(I/II)の患者の症例では、PD とは対照的により多くの HD を使用していた。内視鏡的、全静脈麻酔、緊急症例、迅速麻酔導入でない症例では、それらの対応する症例群よりも HD の割合が高かった。全ての結果は統計的に有意であった。HD は、四連反応を記載した症例でよく見られ、拮抗薬ネオスチグミンを使用していた。中時間作用性 NMBA を用いた気管内全身麻酔症例の約 3 分の 2 が HD を使用していた。HD の割合が高い症例群は、伝統的に技術的に複雑か、または緊急であり、高度な筋弛緩に恩恵を受けるか、または筋弛緩のための補助薬を使用しない症例である可能性がある。65 歳以上の年齢群は、HD の割合が低いことが示され、これは薬物動態学および薬力学における年齢に関連した変化を麻酔提供者が意識していたためである可能性が高い。術中モニタリングとネオスチグミンによる NMB の拮抗は、HD の方が頻繁に使用された。

【出典】
Investigation of intraoperative dosing patterns of neuromuscular blocking agents.
J Clin Monit Comput. 2018 Aug 9. doi: 10.1007/s10877-018-0186-4. [Epub ahead of print]

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