慢性閉塞性肺疾患患者で腹腔鏡下胆嚢摘出術を脊椎麻酔下と全身麻酔下で比較

・疫学的データは、慢性閉塞性肺疾患の世界的有病率が増加していることを示している。これらの患者は、死亡率および合併症率のリスクが高く、気流に一定の制限がある。慢性閉塞性肺疾患(COPD)のある患者で、腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)を脊椎麻酔下と全身麻酔(GA)下で比較した。

・2016 年 1 月から 2018 年 1 月まで、全身麻酔(1 群、n=30)か、または脊椎麻酔(2 群、n=30)で、腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けた COPD 患者(ステージ 1-4)を前向きに評価した。術中のバイタルサインの所見、術後痛、合併症、入院期間を、全身麻酔(GA)群と脊椎麻酔(SA)群とで比較した。

・GA 群の平均年齢は 61.0±6.7 歳であり、SA 群では 61.0±7.7 歳であった。GA 群と SA 群では、平均 ASA スコアはそれぞれ 2.8±0.6 と 2.9±0.6 であり、平均手術時間はそれぞれ 31.7±5.1 分と 30.6±5.1 分であり、入院期間は 3.2±1.7 日と 1.5±0.5日であった。術後 5 分と 20 分の二酸化炭素分圧(PaCO2)は、SA 群の方が GA 群より低かった。さらに、術後鎮痛剤の必要性は SA 群の方が低く、入院期間は SA 群の方が有意に短かった。手術所要時間については、2 群間に有意差はなかった。

・COPD 患者にとっては、腹腔鏡下胆嚢摘出術は、全身麻酔と脊椎麻酔下で かなり安全な方法である。しかし、脊椎麻酔の方が、術後鎮痛が良好で、肺機能障害を引き起こさないため、全身麻酔よりも好ましい。

[!]:それはそうだろうな。でも日本では診療報酬が少なくなってしまうから、低濃度吸入麻酔薬かプロポフォールを流して全身麻酔にしてしまうだろうな。

【出典】
Comparing laparoscopic cholecystectomy in patients with chronic obstructive pulmonary disease under spinal anesthesia and general anesthesia.
BMC Surg. 2018 Aug 20;18(1):65. doi: 10.1186/s12893-018-0396-1.

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この記事へのコメント

ナマステ
2018年09月16日 08:43
いつも楽しく拝見しております。
さて、気腹に耐えうるため脊椎麻酔の麻酔レベルはどこまで必要でしょうか?横隔膜の刺激で肩痛などの関連痛を考えると相当高位になってしまわないでしょうか?そうなってしまうと結局呼吸にも影響して本末転倒になってしまう気が…
どうなんでしょうか?
ナマステ
2018年09月16日 08:45
オリジナルではTh4となってますが、それで十分なんでしょうか?
SRHAD-KNIGHT
2018年09月17日 11:06
ナマステ様、コメントありがとうございます。
自分でやったことがないので、推測にすぎませんが、堂々と論文になっているのですから、Th4 までの麻酔域があれば十分ということななのではないでしょうか。また、「横隔膜の刺激で肩痛などの関連痛」と言われるものは、手術刺激自体ではなくて、二酸化炭素分圧が上昇することによって術後に生じてくるものとすれば、全身麻酔でも脊椎麻酔でも同様なのではないかと思いますが・・・。
また、近年のスガマデクスを使用すれば、ラリンジアルマスクを使用した全身麻酔ならば、上気道に及ぼす影響をかなり軽減できるので、脊椎麻酔+ラリンジアルマスクによる軽い全身麻酔を追加するという手もあるかもしれませんね。

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