非心臓手術中の皮膚切開前後の低血圧と術後急性腎障害との関係:後ろ向きコホート分析

・術中低血圧は術後急性腎障害と関連している。皮膚切開後に比べて皮膚切開前にどれだけ低血圧が生じるかや、これらの 2 つの期間における低血圧が同様に術後腎障害と関連するかどうかはは不明である。

・著者らは、待機的非心臓手術に際して麻酔を受けた 42,825 人の患者で平均動脈圧<65 mmHg と術後腎障害との関連性を分析した。

・術中低血圧は 30,423 人(71%)の患者で起こり、皮膚切開前の患者は 22,569 人(53%)であった。切開後の患者数は 24,102 人(56%)であった。低血圧であった麻酔患者は、皮膚切開前の中央値(IQR[範囲])が 5.5(0.0-14.7[0.0-60.0])min/h の間、平均動脈圧<65mmHg であったのに対して、切開後では 1.7[ 0.0-57.5])min/h であった:低血圧測定値の中央値(IQR[範囲]) 36%(0%~84%[0%-100%])は、切開前であった。著者らは 2328 人(5%)の患者で術後腎障害を診断した。急性腎障害のオッズ比(95%CI)は、低血圧持続時間が 2 倍になる毎に 1.05(1.02-1.07)であり、p<0.001であった。術後腎障害は、低血圧持続時間と重症度の積、すなわち曲線下面積と関係しており、皮膚切開前と後でそれぞれオッズ比(95%CI)は、1.02(1.01-1.04)、p=0.004 と 1.02(1.00-1.04)、p=0.016 であった。

・全低血圧の相当な部分が執刀前に起こり、したがって完全に麻酔管理に起因していた。麻酔科医は、術後腎障害との関連が少なくとも部分的に因果関係があると仮定して、術中、特に麻酔導入後に平均動脈圧<65 mmHg となることを避けることを推奨する。

[!]:麻酔導入後と術中に、平均血圧>65mmHg するべし!

【出典】
The association of hypotension during non‐cardiac surgery, before and after skin incision, with postoperative acute kidney injury: a retrospective cohort analysis
Anaesthesia First published: 24 August 2018

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