帝王切開術後の嘔気予防のためのプロポフォールの使用:二重盲式無作為化偽薬対照試験

・嘔気嘔吐は帝王切開時によく見られ、望ましくない症状である。著者らは、脊髄硬膜外併用麻酔下の帝王切開術時に、分娩後嘔気嘔吐の予防と即時治療のためのプロポフォールの制吐特性を評価するために、本研究を行った。

・脊髄硬膜外麻酔下で待機的帝王切開を受けた 80 人の女性を無作為化して、臍帯クランプ直後に、プロポフォールの血漿濃度 1000ng/mL か、ま生食のいずれかを投与した。分娩後嘔気嘔吐の発生率、レスキュー鎮吐剤を必要とした患者、バイスペクトル指数、鎮静スコア、低血圧の発生率を術中に評価した。満足度および新生児行動神経学的評価を術後に評価した。

・悪心の発生率はプラセボ群と比較してプロポフォール群で有意に低かった(25% vs 60%、P<0.001)。空嘔吐と嘔吐の発生率は、2 群間で有意差がなかった。レスキュー制吐薬としてのプロポフォール 20mg は両群で有意に有効であった。プロポフォール群患者と産科医の満足度は、プラセボ群より高かった。分娩前後の低血圧の発生率は、2 群間で統計的な差はなかった。群間の術後新生児行動神経学的評価に差はなかった。

・プロポフォールの血漿濃度 1000ng/mL は、プラセボと比較して、分娩後の悪心の発生率を有意に低下させたが、帝王切開時の空嘔吐や嘔吐の症状を減少させる効果はなかった。

[!]:悪心(吐き気)は中枢性のものであり、実際の嘔吐は運動を伴う末梢性のもの?

【出典】
Use of propofol for prevention of post-delivery nausea during cesarean section: a double-blind, randomized, placebo-controlled trial
Journal of Anesthesia First Online: 12 September 2018

ちなみに、ずいぶんと昔( 2000 年)に同様の論文が、悪名高き「Fujii Y」が共著者として発表されている。ただ、この論文は、2013 年に、他の 3 本の論文と共に撤回されている。
.Numazaki M1, Fujii Y. Subhypnotic dose of propofol for the prevention of nausea and vomiting during spinal anaesthesia for caesarean section. Anaesth Intensive Care. 2000 Jun;28(3):262-5

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この記事へのコメント

silkhat
2018年09月20日 11:58
お疲れ様です。此の事件以来、PONV関連には反射的に懐疑してしまう自分がおります。プロポも効く印象が…?
SRHAD-KNIGHT
2018年09月21日 12:16
silkhat 様、コメントありがとうございます。
個人的には、プロポフォールが嘔気を抑制するというよりは、意識をもうろうとさせることにより訴えられなくするのではないかとも思います。片頭痛もちの知り合いが、「発作の時には、セルシンの静注/筋注して眠るのが一番!」と言っていたのと同じような気もしますね。

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