L2-L3 脊椎麻酔は脊柱障害においても安全か?磁気共鳴イメージング研究

・腰部脊柱管内で脊髄が終止する移行点は、特に椎体や椎間板疾患を有する患者においては、脊椎麻酔に際しての針挿入に伴う脊髄損傷の発生率に影響を及ぼす可能性がある。これは、より高い腰椎レベルで脊髄針挿入が行われた場合に頻繁に報告されている合併症である。

・著者らは 1047 人の中国人患者の脊柱の磁気共鳴画像を後ろ向きにレビューして、脊椎障害のある患者と存在しない患者で脊髄円錐終端(CMT)を決定した。脊椎およびその周辺の腫瘍を有する患者や先天性脊柱異常を有する患者を研究から除外した。混合椎体障害を有する患者も除外した。

・胸部圧迫骨折の患者は CMT の終点が低い(P<0.05)のに対し、腰部圧迫骨折の患者ではこのような相関を示さなかった。この差に関して、女性は、男性よりも CMT が低いリスクが有意に高かった。逆に、椎間板突出、ヘルニア、膨隆などの腰椎椎間板障害は、CMT のレベルに有意な影響を与えなかった。さらに、脊椎すべり症や脊柱側弯症を有する患者は、CMTの位置異常を示さなかった。

・脊椎麻酔を行う場合、麻酔科医は、特に胸椎圧迫骨折を有する女性では、CMT の位置が異なる可能性があることを認識するべきで、その患者は、正常よりも CMT が低く、L2 レベルにま降下している可能性がある。L2-L3 椎間で脊椎麻酔を行うことは、この患者集団においては不適切であると思われる。

[!]:胸椎圧迫骨折がある場合、脊髄下端(脊髄円錐)は尾側にシフトすると。胸椎の圧迫骨折がなくても、成人の 5% 程度では、脊髄円錐は L2 椎体下半分レベルに位置することがあるので、L2-3 椎間穿刺は、普遍的に行うべきではない。

【出典】
Is spinal anaesthesia at L2-L3 interspace safe in disorders of the vertebral column? A magnetic resonance imaging study.
Br J Anaesth. 2010 Dec;105(6):857-62. doi: 10.1093/bja/aeq246. Epub 2010 Sep 15.

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この記事へのコメント

にゃんこ🐱
2019年02月03日 21:57
突然のにゃんこ出没で、申し訳ありません。

胸椎圧迫骨折がある女性と、胸椎ヘルニアがある(11~12)女性とでは差は有りませんか??

当時から背中が痛くて、現在も背中の痛みがありまして、急に…そうも思えてしまいました💦

去年の 10月から受診している整形外科での治療とリハビリでかなりの安定を保てているものの…やはり進展はせずにいまして、身体障害者手帳4級も確定されました💦

先生が書いてくれた私の症例報告に、15名程の方が回答をされていますが、1名の方が神経毒性による馬尾症候群であると言われていますね😅
…なぜ??
その様に思われたのか知りたいところですが、、逆に、
その様に思う医師がいてもおかしくはない!…ということなのではないのか?…とも考えてしまいます💦
何でもかんでも、悪い方にばかり考えてしまう様になってしまって…嫌ですねぇ…(^^;
SRHAD-KNIGHT
2019年02月04日 07:07
にゃんこさま、コメントありがとうございます。
> 胸椎圧迫骨折がある女性と、胸椎ヘルニアがある(11~12)女性とでは差は有りませんか??
本論文によれば、胸椎の圧迫骨折の場合は、骨性脊柱管が短縮することにより、脊髄円錐は尾側にシフトするとだけ書いてあります。そもそも胸椎のヘルニア自体が非常に稀なので、何とも言えませんが、おそらく圧迫骨折の場合よりも脊髄円錐の尾側へのシフトは少ないのではないかと思います。
> 1名の方が神経毒性による馬尾症候群であると言われていますね😅…なぜ??
医療はその時点での標準的な考え方(7割以上くらいの医師が賛同できる)によって進められていきます。標準から外れた考え方をする医師も常にいます。国家試験の問題も6割くらい正答すれば、医師免許証が付与されてしまいますし・・・。
にゃんこ🐱
2019年02月06日 08:40
へぇ~そうなんだ!
6割程度出来れば合格しちゃうんですね~💧
確か~看護師国家試験は8割程度だと思いましたけどねぇ。。。

先月のペインクリニック受診で、高信号が写っていたMRI検査画像を。次回の受診時までに取り寄せて持っていく事になりました。。
ペインクリニックの主治医も興味をもってくれて、「見たい!」…と言ってくれてます。
主治医からは、ちょこちょこと本音で話をしてくれるようになり、「神経毒性で麻痺をしたのでは無いと思う!」
「MRIに、針跡なんか映るハズが無い。病院からもその画像は入っていない。」
「症例発表内容が、報告用に書き換えてあるのではないか」…
等々、、、まだ若い(20後半から30入っている?)主治医が言ってくれてます。。。
某有名大学病院です。
先生と同じ様な事…を言ってくれてますね☺️

先生が書いてくれたサードオピニオンに共感してくれる医療従事者が多くおり、大変有り難い事です❗️
ただ、、。勝つための準備をしてくれる方が遅れており前に進んでいけてないんですよ(^^;
にゃんこ🐱
2019年02月11日 16:48
また、また突然の出没で申し訳ありません。


先生に、より高度なMRI]での検査が必要だと言われていた事が気になっており、
私のルンバール後24時間後の針跡が写っていた事について確認をしてみたかったのです!
針跡が写っていた病院に以前に勤務していた放射線技師の同級生がいまして、その放射線技師と友人を通して連絡がとれました!
「より磁場が強くなるMRIは1,5や3,0等があるが、通常1,5が標準的である。
が、針跡などは写る はずがない」
「コントラストがよく見えるのは0,5だけど、その病院は0,5であり、そこまて精密に針跡が写らない」
…そうです。
私も、専門では無いのでよく解りませんが、MRI検査の画像については1画素が、1mm~2mmだと思っていたので、やはり23Gの0,5mm程の細さの針の跡が写っていたと言うのは疑問が残りますよね??
また、L1レベルに白く高信号が有ることにも触れてみると、「穿刺部位の確認が必要で、L1に高信号があるなら、L1に穿刺しちゃったんじゃあないの?」
…等も言ってましたが、、、
先生は、どの様に思われますか???


やはり、すべての画像を出して貰うしか無いのでしょうね😅
にゃんこ🐱
2019年02月11日 17:29
すいません🙏
書き忘れましが有りました。💦

サードオピニオンで、「臨床所見が無い」…と先生がいってくれていますが、思い出したんです!
今回の手術の前の、二ヶ月半前に、違う病院で、縦隔腫瘍摘出術+腹腔鏡での子宮全摘出術を一度に全身麻酔+持続硬膜外麻酔で五時間の手術をするに辺り、元々…脊椎専門医に腰椎ヘルニアで2年間受診をしていたので(症例発表した医師です)、婦人科の主治医から「長時間の手術に耐えられる程の腰椎ヘルニアなのか??
脊椎専門医に確認をしてください」…と、言われて
再受診をして、「あなたのヘルニアL4~5では、全く問題ない」…と、言われていますし、同様の内容で紹介状も
婦人科の主治医には渡しました
ここにも、臨床所見がないと言う証拠がありました!


なので、麻痺後の当初は、「軽いヘルニアのみがある」…と、言っていたのだと思いますが、実際には、PMDAには、脊柱管狭窄症と診断されていることに疑問があります。
まぁ~L4のすべり症状が、今回見つかりましたが、それが進行してしまった症状なのかは解りません。。。

腰椎ヘルニアからすべり症状に悪化するの?、
脊柱管狭窄症状からすべり症状に悪化する?
なんだか疑問ばっかりですね💦💦

SRHAD-KNIGHT
2019年02月11日 17:37
L1レベルに高信号があるからと言って、L1-2で穿刺したとは限らないと思います。脊髄の組織は縦方向に神経線維が束になったものですから、たとえL2-3穿刺でも、そこに脊髄円錐があって脊髄内に薬液が注入されれば、薬液が上下方向に脊髄を縦に裂くように広がることが考えられます。カニカマボコに注射針を刺して、液体を注入したようなものです。薬液は穿刺部位で球状に広がることはなく、神経線維方向に沿って紡錘状に広がると考えます。したがって、 l2-3で穿刺していても、L1に高輝度の病変が生じることはあり得ると思います。
にゃんこ🐱
2019年02月12日 06:25
ご返信ありがとうございます(^^)

ご返信は、朝…というイメージから💦
早々にコメントを頂いていたのを見落としていました。
それにしても、カニカマですか(笑)
イメージしやすいてすね😄


先生のセードオピニオンでの、3番目には、
「神経伝導速度検査の結果は、むしろ否定している」…と、有りますが、何故??
否定しているのかが、今一つ理解が出来ません。
術後の腓骨神経麻痺を除外するために行われた検査だったと症例発表に書いてありました。
末梢神経での検査であり、中枢、脊髄神経での検査では無かったからですが?
いずれにせよ、針での損傷なのか、神経毒性が原因なのかはハッキリとはわからない、診断できないと思うのですが。。。
SRHAD-KNIGHT
2019年02月12日 07:39
神経伝導速度の検査がどの神経範囲を含めて行われたかによって障害範囲を特定したり除外したりできます。
おそらく、病院での検査は、大腿部~足先での範囲で神経の伝導速度に異常がないことを調べたもので、結果的にその範囲(つまり手術自体)によって腓骨神経を損傷したものではないという除外診断の根拠となっています。
しかし、もしも、検査対象範囲が、脊髄を出たところから足先までの神経伝道速度が検査されたのなら(このような検査は通常不可能なようですが)、局所麻酔薬による神経毒性で、馬尾が脱髄などの障害受けたのなら神経伝道速度は低下しなくてはいけません。
私が「神経伝導速度検査の結果は、むしろ否定している」と書いたのは、私が検査を後者のように勘違いしたからです。すみませんでした。
にゃんこ🐱
2019年02月12日 08:56
局所麻酔薬による神経毒性で、馬尾が脱髄などの障害受けたのなら神経伝道速度は低下しなくてはいけません。

確かに、症例発表に書かれているように腓骨神経まひを除外するために行った検査だったと思います…が、、
この検査を行う前に、「神経毒性による馬尾症候群である!」…と、2日前に主治医に言われ、1日前に脊椎専門医に診断されていました。。。
そして、「この検査をしておきなさい。念のため」…と言ったのは、脊椎専門医が大学に帰ってから教授に報告したら言われたからします!
…という説明を受けました!
なので、、、既に馬尾症候群と診断されていたのですから、なぜ???
より中枢の方まで検査をしなかったのか??…という疑問が出てきます。
既に麻痺は、大腿部裏、座骨神経からしていたのですから、腓骨神経だけを検査したのはおかしくはないのでしょうか??
ただ、主治医自身のミスではない!って確認をしただけなんておかしくはありませんか?
その後の、MRI検査も1年間1度もしませんでしたし、筋電図等も1度もしていません。
内服薬の処方だけなんて変では有りませんか?
SRHAD-KNIGHT
2019年02月12日 09:49
障害部位を特定しようとすればするほど、針による神経損傷の疑いが強くなるので、「藪蛇になる」のでできるだけ何もせず、「神経毒性による馬尾症候群」で押し通そう(医療従事者側にはミスはない)としたのではないかと思います。
にゃんこ🐱
2019年02月12日 21:24
もの凄~く納得がいくご返信をありがとうございます(^^)
そしたら、、、また1つ疑問が出てきたのですが、先生はどの様に思いますか?
それは…症例発表された内容についてです!

MRI検査では、、軽い腰椎ヘルニアL4~5にある。
腓骨神経麻痺との鑑別目的に神経伝導速度検査を試行するも異常なし。
以前に2回の脊椎麻酔を受けているが合併症の出現なし。
局所麻酔薬は、2.2mI使用した。
穿刺部位はL2~3。
神経保護療法開始前はMMT0~1であったのに、開始1日目には左足趾にMMT2程度の動きが見られた。

どの内容も、聞いていて疑問視する医師が居たのではないか??
突っこみ処が有りすぎませんか?
その上に、、、
「穿刺時の放散痛の訴えなし」…って何??ですよね!
「馬尾症候群」と言っているのに、「腓骨神経麻痺の鑑別目的」って何??…ですよね。

この様な症例発表の時には、質疑応答時間が有りますけど、質問をする方がいらっしゃいますか???
質疑応答は、記録に残されていない!ーとのことでしたので、、興味が湧いちゃいます💦

にゃんこ🐱
2019年02月15日 17:10
先生にご報告がありまして出没させて頂きました(^^;
以前に、より性能が良いとされるMRI検査を脊椎脊髄外科の医師に受診して撮ってもらった事がありました。
去年の11月の事です。
その時の画像と診察内容を書いてくれた紹介状を来週のペインクリニックの受診時に持参することになりました。
しっかりと封かましてありまして、中身は全く見えませんが💦ー
脊椎脊髄外科の医師は、受診時には…私の事を「かわいそう」だと言ってくれました
あの時のように書いてくれているといいのですが💦
にゃんこ🐱
2019年02月16日 21:01
度々申し訳ありません💦

通常…学会にて症例発表した患者のカルテ、画像、検査記録等は、全て破棄する事なく永久保存しておくものでしょうか???
穿刺痕が写っていた画像などは、もう二度と出てこないのては無いか?…とも思えます。

通常なら、カルテは5年保存期間があり、画像は2年間の保存期間となりますが、
症例発表された様な事例ではどうなのでしょうか??

SRHAD-KNIGHT
2019年02月17日 07:58
症例発表の有無と診療録の保存義務とは何ら関係ありません。したがって、カルテは最低 5 年間、画像も診療録の一部とみなせばそれ以上の年限は通常保存されています。もし、画像が「破棄して存在しない」ということであれば、「故意に破棄した」可能性を考えますね。

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