高齢者と非高齢者で小用量スガマデクスに反応したロクロニウム誘発性の深い筋弛緩からの回復の差

スガマデクス4.png・スガマデクスによるロクロニウム誘発性筋弛緩からの完全な回復は、高齢患者では遅れると報告されている。著者らは、高齢患者の方が非高齢患者よりも、低用量スガマデクスによる深い筋弛緩からの回復はゆっくりで(一次仮説)、リクラリゼーションの頻度が高い(二次仮説)という仮説を検証した。

・ロクロニウムによる深い筋弛緩の麻酔を受けた高齢者(n=20; 年齢 76.9±5.0 歳)と非高齢患者(n=20; 年齢 53.7±12.8 歳)で、ロクロニウム誘発性筋弛緩(0.6mg/kg)からの自然回復時と低用量スガマデクス(50μg/kg/分)注入後に、加速度筋弛緩モニタを用いて、1分毎の TOF 比の変化を測定した。リクラリゼーションは、TOF 比のマイナス変化と定義された。

・TOF 比の自然回復は高齢者の方が非高齢者よりも有意にゆっくりであった(中央値[25パーセンタイル、75パーセンタイル]:1.89[1.22,2.90]%/分 vs 3.45[1.96,4.25] %/分、P=0.024)。低用量スガマデクスに反応した TOF 変化率は、非高齢群(1.68[0.73、3.13]%/分])よりも高齢群(0.55[-0.29,1.54]%/分、P=0.024)の方が有意にゆっくりであった。リクラリゼーションの発生率は、高齢群の方が非高齢群よりも有意に高かった(35% vs 5%、P=0.044)。重線形回帰分析は、TOF 比の自然回復速度が遅いことと腎機能障害が、低用量スガマデクスに反応した TOF 比の変化率を減少させる 2 つの主な要因であることを示している。

・低用量のスガマデクスを投与した場合、高齢患者はリクラリゼーションと残存筋弛緩のリスクがより高い。

[!]:高齢者は肝腎代謝能が低下しているので、筋弛緩薬の半減期が長くなり、残存筋弛緩は起こりやすくなるし、リクラリゼーションも起こしやすくなる。

【出典】
Differences of Recovery from Rocuronium-induced Deep Paralysis in Response to Small Doses of Sugammadex between Elderly and Nonelderly Patients.
Anesthesiology. 2018 Nov;129(5):901-911. doi: 10.1097/ALN.0000000000002412.

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