非心臓手術におけるプロポフォールを用いた全身麻酔導入後の循環動態変動の予測:後ろ向き的コホート研究

・プロポフォールは、全身麻酔導入のためのよくある麻酔薬であるが、時には、導入/挿管中に血行動態の変動が顕著である。本研究の目的は、血行動態の変動増加に及ぼす影響要因を決定し、血行動態の変動を防ぐためにプロポフォールの投与量を迅速に決定するする予測式を確立することであった。

・この後ろ向き的コホート研究患者(n=2097)は年齢 18 歳以上であった。 彼らは 2015 年 4 月~ 2016 年 3 月に九州大学病院で非心臓外科手術のためにプロポフォールと気管挿管を用いて全身麻酔導入を受けた。術前の評価記録から術前の患者の臨床情報を収集した。術中データはコンピュータ麻酔記録から得た。患者導入後の平均動脈圧(MAP)が、導入前 MAP から 30% 以上増加した場合、それらは循環動態変動が増強したと判定された。調整オッズ比(OR)と 95% 信頼区間(CI)を評価するために条件なしロジスティック回帰を使用した。潜在変数の直接的および間接的効果(経路係数=r)を同時に調査するために構造式モデリング(SEM)を行った。

・SEM 分析では、年齢は血行動態の変動と有意に関連していた(調整オッズ比=1.008、95%CI=1.001-1.015、P=0.03)。年齢(経路係数(r)= - 0.0113,95%CI = -0.0126-0.010、P<0.001)、ASA-PS(r= -0.0788、95%CI=-0.1431-0.0145、P=0.02)、性別(r=0.057、95%CI= 0.0149-0.9906、P=0.01)、フェンタニルの投与量(r=0.1087、95%CI=0.0707-0.1467、P<0.001)は、導入時のプロポフォール用量に影響を与えた。予測公式である「プロポフォール用量(mg)=[2.374-0.0113×年齢-0.0788(ASA-PS 3または 4 の場合)+ 0.057(女性の場合)+ 0.1087×フェンタニル用量(μg/kg)]×体重(kg)」が誘導された。

・年齢は導入における血行動態の変動と関連していた。予測式は許容可能であると考えられるが、臨床状況において患者の循環動態変動のリスクを減少させる可能性があるかどうかを検証する前向きの研究が必要である。

[!]:導入に使用するプロポフォール用量を計算するパラメータとしては、年齢、性別、体重、ASA-PS、併用フェンタニル用量などが考えられる。併用フェンタニル用量が増えれば、必要なプロポフォール用量は減るはずだが、上記公式では増加する!?

【出典】
Prediction of hemodynamic fluctuations after induction of general anesthesia using propofol in non-cardiac surgery: a retrospective cohort study.
BMC Anesthesiol. 2018 Nov 10;18(1):167. doi: 10.1186/s12871-018-0633-2.

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