動脈瘤コイリング時の血圧と呼気終末二酸化炭素範囲と脳動脈瘤性くも膜下出血後の神経予後

・動脈瘤性くも膜下出血患者の動脈瘤コイリング時の低炭酸ガス血症、低血圧、高血圧は予後不良につながる可能性があるが、呼気終末二酸化炭素(ETCO2)と平均動脈圧(MAP)目標値のエビデンスは不足している。標準化治療の範囲内で、著者らは、動脈瘤コイリングに際しての全身麻酔時の低炭酸ガス(PaCO2<35mmHg)、低血圧(MAP<80mmHg)、高血圧(MAP>100mmHg)と神経学的転帰の間の関連性を研究することを目的とした。

・本後ろ向き観察研究は、全身麻酔下で動脈瘤性くも膜下出血後に早期動脈瘤コイリングを受けた患者を含めた。ETCO2と MAP は、様々な絶対値(ETCO2<30、35、40、45 mmHg と MAP<60、70、80、90)と、相対的閾値(MAP<70%、<60%、<50%)について、患者毎に平均と時間加重平均曲線下面積として要約された。臨床転帰は、主要および副次評価項目として、退院時と 3 カ月後のグラスゴーアウトカムスケールで評価した。

・578 人の患者で血管内コイリングが行われ、521 人が脳外科手術クリッピングを受けた。これら 1,099 例中 447 例(41%)は退院時の神経学的転帰が不良であった。今回の臨床状況で見られた ETCO2 と MAP の範囲ではいずれも、退院時の神経学的転帰不良とは関係しておらず、30mmHg 未満の任意の ETCO2値についての調整リスク比は 0.95(95%CI、0.81-1.10;P<0.496)、60mmHg 未満の任意の MAP の調整リスク比は 0.94(95%CI、0.78-1.14;P<0.530)であった。これらの結果は、術前の神経学的状態、治療法および介入のタイミングに影響されなかった。 3 ヶ月後の神経学的転帰についても同等の結果が得られた。

・現在の臨床コンセンサスに準拠した標準化術中治療戦略の中で、動脈瘤コイリング時の低炭酸ガス、低血圧、高血圧は、動脈瘤性くも膜下出血患者の退院時の神経学的転帰不良とは関連していなかった。

[!]:動脈瘤コイリング時の、低炭酸ガス、低血圧、高血圧は、神経学的予後不良と関連する可能性があるが、実際的には予後には影響はなかったと。

【出典】
Blood Pressure and End-tidal Carbon Dioxide Ranges during Aneurysm Occlusion and Neurologic Outcome after an Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage.
Anesthesiology. 2018 Oct 31. doi: 10.1097/ALN.0000000000002482. [Epub ahead of print]

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