硬膜穿刺後頭痛の従来の管理にネオスチグミンとアトロピンの追加:無作為化比較試験

・硬膜穿刺後頭痛(PDPH)には、標準的なエビデンスに基づいた治療法がない。重症 PDPH に対してネオスチグミンで治療した患者が契機となって本研究が実施された。

・本無作為化対照二重盲式研究は、PDPG 治療に際して、85 人の患者で輸液と鎮痛剤による保存的治療に加えて、ネオスチグミンとアトロピン(n=41) vs 生食プラセボ(n=44)を比較した。主要評価項目は、介入後 6、12、24、36、48、72 時間後の視覚的アナログスケールスコア≦3 であった。副次評価項目は、硬膜外血液パッチの必要性、頸部硬直、嘔気、嘔吐であった。患者にネオスチグミン 20μg/kg とアトロピン 10μg/kg か、または等容量の生食を投与した。

・視覚的アナログスケールスコアは、介入後の全時間間隔で生食処置よりもネオスチグミン/アトロピンの方が有意に良好であった(P<.001)。ネオスチグミン/アトロピン群では硬膜外血液パッチを必要とした患者はいなかったが、プラセボ群では 7 例(15.9%)で必要であった(P<0.001)。患者は、ネオスチグミン/アトロピンの 2 用量超を必要とした患者はいなかった。頸部硬直、嘔気、嘔吐に群間差はなかった。腹部けいれん、筋痙攣、膀胱活動亢進を含む合併症は、ネオスチグミン/アトロピン群でのみ発生した(P<.001)。

・ネオスチグミン/アトロピンは、わずか 2 回の投与で PDPH の治療に有効であった。ネオスチグミンは脈絡叢を通過する可能性があるが、血液脳関門は通過しない。両薬物の中心的な効果は、脳脊髄液分泌と脳血管緊張度の両方に影響し、これは PDPH の主要な病態生理学的変化である。結果は、これまでの研究とネオスチグミン活性についての臨床報告と一致している。

[!]:これは初耳だな。PDPH にネオスチグミン+アトリピンが有効とは!筋弛緩の拮抗に使用する通常使用量は「成人にはネオスチグミン1 ~ 2mg(0.02 ~ 0.06mg/kg)最高 5mgまでをアトロピン硫酸塩 0.5~ 1mg(0.01 ~ 0.02mg/kg)とともに(ネオスチグミン:アトロピン=2:1)緩徐に(2 ~ 3 分かけて)静注する」とある。

【出典】
Addition of Neostigmine and Atropine to Conventional Management of Postdural Puncture Headache: A Randomized Controlled Trial.
Anesth Analg. 2018 Dec;127(6):1434-1439. doi: 10.1213/ANE.0000000000003734.

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この記事へのコメント

ナマステ
2018年11月25日 08:23
いつも楽しく拝見させてもらってます。
PDPHでは、保険適応外ですがリリカ(プレガバリン)が効果あったという報告もあるようです。
SRHAD-KNIGHT
2018年11月26日 07:09
ナマステ様
プレガバリンも PDPH に効果があるのですか。
情報ありがとうございます。

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