Q:麻酔導入に及ぼすリドカイン静注の効果とは?

37 件の RCT の系統的レビューとメタ分析から、リドカイン静注は、プラセボと比較して、全年齢層の患者さんで喉頭展開と気管挿管に対する心血管反応を軽減するのに役立つ、と報告されています。
リドカイン静注 vs プラセボ が喉頭展開と気管挿管に対する心血管反応軽減に及ぼす有効性
Qi DY, et al. Efficacy of intravenous lidocaine versus placebo on attenuating cardiovascular response to laryngoscopy and tracheal intubation: a systematic review of randomized controlled trials.
Minerva Anestesiol. 2013 Dec;79(12):1423-35.

また、同様に、硫酸マグネシウムとリドカイン静注が、喉頭展開と気管挿管後の反射性血行動態に及ぼす有効性を比較した研究でも、硫酸マグネシウムとリドカインは、喉頭展開と挿管における循環動態管理に良好な有効性および安全性を有する、と報告されています。
気管挿管に対する循環動態反応を減弱させるリドカインと硫酸マグネシウムの効果
FT Mendonça FT, et al. Effects of lidocaine and magnesium sulfate in attenuating hemodynamic response to tracheal intubation: single-center, prospective, double-blind, randomized study.
Braz J Anesthesiol. 2017 Jan - Feb;67(1):50-56.

さらに、気管挿管への昇圧反応を軽減する際 に、リドカイン+ジルチアゼムを併用した場合の臨床的有効性と安全性を、リドカインとジルチアゼムを単独で使用した場合と比較した研究では、リドカイン+ジルチアゼムンの併用は、気管挿管に対する昇圧反応を軽減するのに安全かつ有効である、と報告されています。
気管挿管中の血行動態反応を軽減するのにジルチアゼムとリドカイン併用の臨床的有効性
R Gupta R, et al. Clinical Efficacy Of Combination Of Diltiazem And Lidocaine In Attenuating Hemodynamic Changes During Tracheal Intubation And Comparing The Response When They Are Used Alone.
The Internet Journal of Anesthesiology 2012 Volume 30 Number 4. DOI: 10.5580/2cbb

リドカインの効果をフェンタニルと比較した報告もあり、リドカイン 1.5mg/kg とフェンタニル 2μg/kgで比較した場合、いずれも脈拍数の増加を抑えたが、フェンタニルの方ほうが効果的であり、リドカインは、挿管に伴う血圧の上昇を弱めたが、フェンタニルは全まったくそれを防いだとしています。
気管挿管に対する血行動態反応の抑制:フェンタニル vs リグノカイン
A Malde AD, V Sarode V. Attenuation Of The Hemodynamic Response To Endotracheal Intubation: Fentanyl Versus Lignocaine.
Internet J AnesthesiolThe Internet Journal of Anesthesiology. 2006 Volume 12 Number 1 12(1).

さらに、リドカイン1.5mg/kgとフェンタニル4μg/kgで比較した場合、いずれも心血管反応を抑制したが、リドカイン1.5mg/kgと比較すると、フェンタニル4μg/kgの方ほうが効果的で信頼性が高かったと報告されています。
直接喉頭鏡検査および挿管に対する心血管反応の減弱 - 静脈内ボーラスフェンタニル、リグノカイン、生食
Gurulingappa, et al. Attenuation of Cardiovascular Responses to Direct Laryngoscopy and Intubation-A Comparative Study Between iv Bolus Fentanyl, Lignocaine and Placebo(NS).
J Clin Diagn Res. 2012 Dec; 6(10): 1749–1752.

気管挿管に伴う心血管反応だけをターゲットにして単剤を使うとすれば、フェンタニルということになるのですが、フェンタニルの量を増やし過ぎると呼吸抑制が著明になって、声掛けしないと呼吸してくれなくなってしまいます。その結果、前酸素化が十分できないことにもなります。そこで、リドカインもフェンタニルには及ばないもののある程度同様の効果を有しているので、局所血管刺激作用のあるプロポフォールやロクロニウム投与時の血管痛も軽減できるので、麻酔導入時にリドカインを併用するのは理にかなっていると言えます。

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