救急部における疼痛管理のための静脈内リドカインの安全性と有効性:系統的レビュー

・著者らは、救急部(ED)で疼痛管理を受ける急性および慢性疼痛の成人患者で静脈内リドカインの安全性および有効性を評価している。

・著者らは、Ovid CENTRAL、Ovid EMBASE、Ovid MEDLINE データベースを創始から 2017 年 1 月まで無作為化比較試験と観察研究を検索した。有効性の評価項目には、ベースラインから処置後の疼痛スコアの減少とレスキュー鎮痛薬の必要性が含まれた。安全性の評価項目には、重篤な(例えば、心停止)および非重篤な(例えば、めまい)有害事象の発生が含まれた。Cochrane Collaboration ツールと修正 Newcastle-Ottawa Scale を使用して、研究間のバイアスリスクを評価した。GRADE アプローチをを用いて、入手可能なエビデンスの信頼性を評価した。

・合計 1,947 件の記事のスクリーニングから 61 件の論文が全文レビューのために選択された。8 件の研究が包括的基準を満たし、536 人の患者を含む定性分析を行った。有意な臨床的異質性があったり質の低い研究は、メタ分析から除外した。6 件の無作為化比較試験のうち、静脈内リドカインは、2 試験で活性対照と同等の有効性を有し、他の 2 試験では活性対照よりも優れていた。特に、静脈内リドカインは、腎疝痛と重症四肢虚血に関連する疼痛について、静脈モルヒネと同等かそれ以上の疼痛スコア低下を示した。2 件の研究では、リドカインは片頭痛に有効ではないようであった。ED 中に静脈内リドカインを投与された 225 人の患者のうち 6 例の研究では 20 件の有害事象が報告され、19 例は重篤なものではなく 1 例が重篤であった(なんらかの有害事象については 8.9%、95% 信頼区間 5.5%~13.4%、重篤な有害事象については、0.4% 95% 信頼区間 0%~2.5%)。バイアス・リスク、一貫性がないこと、不正確さを含む方法論的限界のために、評価された測定項目に対するエビデンスの信頼性は非常に低いとみなされた。

・急性腎疝痛と重症四肢虚血痛を有する患者の鎮痛剤として静脈内リドカインの役割を明確にする現在のエビデンスは限られている。他の適応症に対するその有効性は十分に試験されていない。ED での疼痛管理のためのリドカインの安全性は十分に検討されていない。

【出典】
Safety and Efficacy of Intravenous Lidocaine for Pain Management in the Emergency Department: A Systematic Review.
Ann Emerg Med. 2018 Aug;72(2):135-144.e3. doi: 10.1016/j.annemergmed.2017.12.014. Epub 2018 Feb 1.

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この記事へのコメント

にゃんこ🐱
2018年11月25日 08:11
静脈内リドカインの安全性は十分に検討されていない。

それは、リドカインの点滴での痛みのコントロールをも同じ事なのでしょうか?
今回の、私の末梢神経障害に対しては、ペインクリニックの医師の指示の元で、リドカイン+ノイロトロピン1Aの痛みの軽減の為に
1週間に1回、40回の点滴にて痛みの軽減を図るために施行してきましたが、
8月に、痛みのコントロールの為に有効なのか?…と、徐々に思う様になり中止となりました!
「足が軽くなった」…と感じるのですが、点滴中は、意識が無くなるのかの様に眠ってしまいますが、終了してしまうと数時間で痛みを感じるようになってしまいまして、”効果が期待出来ない”…ものとなってしまった為でもあります!
現在は、数種類の内服薬とフェントステープだけでの痛みのコントロールとなっていますが、
元々、痛みをコントロールするための静脈内リドカインの有効性や安全性は確立していないのでしょうか?
SRHAD-KNIGHT
2018年11月26日 07:31
にゃんこ様、コメントありがとうございます。
日本国内では、リドカインは「局所麻酔薬」として、硬膜外麻酔、伝達・浸潤麻酔、表面麻酔には適応がありますが、静脈内投与として適応症があるのでは、不整脈(期外収縮(心室性),発作性頻拍(心室性),急性心筋梗塞時及び手術に伴う心室性不整脈の予防、期外収縮(上室性),発作性頻拍(上室性))だけで、疼痛コントロール目的での静脈内投与は、いわゆる「適応外処方」です。
局所麻酔薬中毒(意識消失や痙攣、循環抑制)をきたすような高濃度にならなければ、静脈内投与によって、投与中はある程度疼痛が和らぐのは事実だと思います。が、比較的短時間でその効果は消失してしまいます。
薬剤添付書に記載されていない以上、日本国内では、「痛みをコントロールするための静脈内リドカインの有効性や安全性は確立していない」としてよいでしょうね。
にゃんこ
2018年11月27日 20:49
ご返信ありがとうございます。(^^)
そうなんですね。。。
点滴を開始した当初は、足が軽くなったし、痛みが楽になったんです。
2~3日は…。
主治医に聞いたとき、「1週間効果がある人もいるし、1ヶ月の人もいる。
数時間の人もいるし、効かない人もいる」…と言われて、少しでも楽になった私は…「効果が期待出来る人」になるのだと思っていました。
でも、徐々に痛みが楽になった!…と思える時間が短くなり、点滴中の深い眠りの時だけ…となってしまいました。。。
それでも、一時だけでも忘れられるなら続けたい点滴となってしまって、40回受けました💦
安全性も有効性も確立していないとは知らずに。。。
点滴が終了してしまい、痛みを和らげる為にすがり付いたのは、AKA法です。
1週間に1回の手技を受けています。
今の私には、何か薬を使うより1番良いのかも知れません…。
フェントステープの為なのか、サインバルタの為なのか、リリカのせいなのか、、、
副作用症状は強く、頭痛や眩暈、焦燥感、強い眠気、健忘症状…💦まだまだ、いっぱい有りますので(^^;

明日は、仕事を休んで脊椎脊髄外科の医師にMRI検査をしてもらい、私の現在の脊髄、馬尾神経がどの様になっているか?
を、診てもらってきます!!!
仲亀みゆき。
2020年01月09日 08:40
リドカイン靜注用2%シリンジ5ml1A+
ノイロトロピン3.6単位3ml1A
を生食100mlで30分かけて点滴したら効果が有りますか??

治療についてご質問させて頂きます!
「寒い間だけでも点滴をした方が良い」…と言われましたが、以前にもリドカインの点滴を受けていた経験からでは、
吸い込まれるように知らぬ間に深い眠りに入ってしまって、看護師に起こされたときには抜針が終わっていた。
そして肝心の痛みは一瞬軽くなりますが早ければ家につく頃にはまた痛みが有った…。
って感じなのですが💦
エヒデンスが無いっていまだにですか???
SRHAD-KNIGHT
2020年01月10日 07:12
仲亀みゆき。さん コメントありがとうございます。

>リドカイン靜注用2%シリンジ5ml1A+
>ノイロトロピン3.6単位3ml1A
>を生食100mlで30分かけて点滴したら効果が有りますか??
おそらく日本全国的に、麻酔科のペインクリニック外来ではよく行われている治療法だと思います。でもやっている麻酔科医自体も「気休め」程度の効果しかないことを実感しています。・・・・が、患者が「藁にも縋る思い」で受診しているので、何もしないわけにはいかないので、「気休め」を実施しています。もしも、この治療を行って「適用外処方」だとかいって、診療報酬が受けられない(請求をしても切られる)ということになれば、やらないのですが、現在のところ、上記治療を行っても診療報酬認めれくれるので、患者もそれなりに納得して治療を受けてくれるし、それで病院が損をすることもない(つまり収益になる)ので、患者が通院する限りは、(効果がないことを承知しつつも)治療続行ということになります。
>エヒデンスが無いっていまだにですか???
そうですね。ちゃんとやればすぐに「効果がない」というエビデンスが出せるのですが、それをやってしまうと、全国のペインクリニック開業医の収益源の一つを断つことになってしまうので、誰もそんな(自分たちの損になる)研究を行わないので、いまだにエビデンスはありません。

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