内視鏡下副鼻腔手術時の術中視覚化のための全静脈麻酔 vs 吸入麻酔:二重盲式無作為化比較試験

・内視鏡的副鼻腔手術(ESS)中の出血は、術野視認を障害し、手術の進行を遅らせる可能性がある。麻酔法が ESS 中の術野の質に与える可能性のある役割は、以前に研究されてきた。しかし、メタ分析からは、現在の文献は決定的ではなく、方法論的な一貫性に欠けているようだ。本研究は、これらの批判を念頭に置いて、ESS 中の術野の質に及ぼす全静脈麻酔(TIVA) vs 吸入麻酔の効果を評価するべく計画された。

・本研究は、慢性鼻副鼻腔炎の主診断のために両側 ESS を受ける ASA-クラス 1/2 の 30 人の患者の二重盲式無作為化対照試験であった。出血量を最小限に抑えるための標準的な手法に加えて、試験患者は、麻酔の維持を静脈内プロポフォールかまたは吸入デスフルランに無作為化された。バイスペクトル指数(BIS)を用いて麻酔深度を標準化した。測定された主要評価項目は、内視鏡手術野を評価するための Wormald スコアであった。

・TIVA の使用の方が、デスフルランと比較して平均 Wormald スコアが統計的に有意に低下した(4.21 vs 5.53、p=0.024)。平均 Boezaart スコアも TIVA 群の方が低かった(2.18 vs 2.76、p=0.034)。実験群は、比較した全ベースライン特性において均質であった。手術所要時間、抜管までの時間、推定出血量を含む副次評価項目は、群間で統計学的に有意でないことがわかった。

・術野を最適化するため、他の全ての要因を実施しても、吸入麻酔薬よりも TIVA の使用ほうが、ESS 時の術野の統計学的に有意な改善がもたらされた。

[!]:ESS 時には、全静脈麻酔の方が吸入麻酔よりも良好な術野を提供できると。

【出典】
Total intravenous anesthesia vs inhaled anesthetic for intraoperative visualization during endoscopic sinus surgery: a double blind randomized controlled trial.
Int Forum Allergy Rhinol. 2018 Oct;8(10):1123-1126. doi: 10.1002/alr.22129. Epub 2018 Sep 10.

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