ノルエピネフリンとバソプレッシンの同時注入中の敗血症性ショック患者における昇圧薬の中止戦略の評価

バソプレシン5.png・ノルエピネフリン(NE)とバソプレシン(VP)を併用した敗血症性ショック患者では、昇圧薬の中止方法について臨床医をガイドするデータはほとんどない。研究の目的は、敗血症性ショック患者で最初に NE を中止(NE DC) vs 最初に VP を中止(VP DC)してから 24 時間以内の低血圧の発生率を調査することであった。

・この後ろ向き研究では、内科系(MICU)および外科系 ICU(SICU)に入院して NE と VP を同時投与された敗血症性ショック患者を評価した。追加の昇圧薬の投与、混合ショック状態、手遅れや診療の撤退、NE と VP を同時に中止した患者は、除外基準であった。主要評価項目は、最初の昇圧薬の中止後 24 時間以内の低血圧の発生率であった。副次評価項目には、低血圧となるまでの時間、在院期間(LOS)、ICU LOS、ICU 死亡が含まれた。

・合計 80 人の患者が含まれた(NE DC[n=35]、VP DC[n=45])、年齢中央値は 73 歳、修正 APACHE II と SOFA スコアの中央値はそれぞれ 21 と 7 であった。NE DC 群の患者の方が、SICU に多く(42.9% vs 20.0%、P=0.048)、腹腔内感染が多く(40.0% vs 15.6%、P=0.021)、適切な経験的抗菌薬が少なかった(62.9% vs 86.7%、P=0.018)。最初の投薬中止 24 時間以内の低血圧は、VP DC 群の方が多く(28.6% vs 62.2%、P=0.004)、病院 LOS と ICU 死亡率は同様であった。多変量解析では、低血圧の独立予測因子として VP DC が同定された(オッズ比=7.2、CI=2.3-22.7)。

・NE と VP が同時投与されている敗血性ショック患者では、最初に VP 中止は、低血圧発症頻度の増加と関係していた。今後の前向き対照試験がなされてしかるべきである。

[!]:NE と VP が同時投与されている患者では、最初に NE 投与を中止した方が低血圧の発生が少ないと。

【出典】
Evaluating Vasopressor Discontinuation Strategies in Patients With Septic Shock on Concomitant Norepinephrine and Vasopressin Infusions.
Ann Pharmacother. 2018 Aug;52(8):733-739. doi: 10.1177/1060028018765187. Epub 2018 Mar 21.

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