敗血症性ショックの回復期の患者で血管作動薬中断順序に基づく低血圧リスク

バソプレシン4.png・敗血症性ショックを有する患者は、しばしば循環動態補助のために血管作動薬を必要とする。しかし、一旦患者が回復期に達してから、これらの薬剤を中止するための最適なアプローチは現在知られていない。この評価の目的は、敗血症性ショック回復期の患者で、ノルエピネフリン(NE)とバソプレッシン(AVP)の中止順序に基づいて、24 時間以内の低血圧の発生率を比較することであった。

・大規模な大学関連三次医療センター内科、外科、神経科学集中治療室(ICU)での後ろ向きコホート研究で、2011 年 9 月から 2015 年 8 月に、NE に加えて少なくとも 6 時間定用量の AVP を投与された敗血症性ショック回復期の成人 585 人が含まれた。これらの患者のうち 155 人が AVPを最初に中止し、430 人が NE を最初に中止した。低血圧は、最初の血管作用薬中止後 24 時間中に評価され、以下の介入を 1 つ以上行ったが平均動脈圧が 60mmHg 未満の場合と定義された:残りの昇圧薬の投与量を 25% 増加、中止薬剤の再投与、少なくとも 1 Lの輸液ボーラス投与。低血圧までの時間を生存分析で評価し、多変量 Cox 比例ハザード回帰を用いて低血圧のリスクを評価した。

・24 時間以内の低血圧の発生率(最初に AVP 中止群で 55%、最初に NE 中止群で 50%、p=0.28)と ICU 死亡率(45.2% vs 40.0%、p=0.26)に有意差は認められなかった。多変量 Cox 比例ハザード回帰によるベースライン因子の調整後、最初に AVP 中止は、経時的に減少する時間依存性効果を伴う低血圧の発生率増加と独立して関係していた(HR(t)= e[1.16-0.08 * t]、p<0.001)。

・AVP と NE を併用投与されている敗血症性ショックから回復中の患者では、これらの薬剤の中止順序に基づく低血圧の発生率に有意差は認められなかった。

[!]:短時間作用性のノルエピネフリンと長時間作用性のバソプレッシンでは、回復期(急性期を脱する時期)には短時間作用性のノルエピネフリンを漸減していくのが通常のアプローチだと思うが。

【出典】
Hypotension Risk Based on Vasoactive Agent Discontinuation Order in Patients in the Recovery Phase of Septic Shock.
Pharmacotherapy. 2018 Mar;38(3):319-326. doi: 10.1002/phar.2082. Epub 2018 Feb 8.

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