クモ膜下モルヒネによる帝王切開分娩後のカプノグラフィーとパルス酸素飽和度モニタリングの前向き観察調査

・クモ膜下モルヒネは、帝王切開後に優れた鎮痛作用を発揮する。しかしながら、無呼吸、徐呼吸、低酸素血症などの呼吸事象が報告されている。主な研究目的は、帝王切開分娩女性で持続カプノグラフィーを用いて、30~120 秒間の無呼吸と定義した「無呼吸警告事象」(AAE)と呼ばれる被験者 1 人あたりの無呼吸数を推定することであった。

・著者らは、クモ膜下モルヒネ 150μg を含む脊椎麻酔下に帝王切開分娩を受けた女性について、施設審査委員会の承認を得て、前向きの観察研究を実施した。STOP-Bang 閉塞性睡眠時無呼吸評価が全女性に施された。女性は、帝王切開後 24 時間、持続カプノグラフィーとパルスオキシメトリーの使用を要請された。鼻サンプリングカニューレで呼気終末炭酸ガス(EtCO2)と呼吸数(RR)、パルスオキシメトリーによって酸素飽和度(SpO2)を測定した。カプノグラフィのデータは、EtCO2>10 mmHg、RR>5 回/分(bpm)、SpO2>70% の場合「妥当」と、または無呼吸(AAE)中は 30-120 秒間「呼吸なし」(EtCO2<5 mmHg)と定義された。個々の呼吸変動警告は、10 秒間平均が EtCO2<10mmHg、RR<8bpm、SpO2<94% であった。看護師の RR の 観察(1 時間毎でカプノグラフィーは見ない)が報告されている。

・著者らは、80 人の女性を募り、平均年齢[SD]は 35(5)歳、47% は 肥満指数>30kg/m2か体重>90kg、11% は閉塞性睡眠時無呼吸症候群の疑い(STOP-Bang スコア>3)があった。正常なカプノグラフィとパルスオキシメトリーデータは、それぞれ 平均(SD)(範囲) 8:28(7:51)(0:00-22:32)および 15:08(6:42)(1:31-23: 07)時間:分であった。6 人の女性はカプノグラフィを使用しなかった。女性の 39/74(53%)が 198 件の AAE、平均(SD)持続時間は 57(27)秒をきたし、被験者当たりの回数中央値(95% 信頼区間)(範囲)は、1(0-1)(0-29)であった。看護師による RR の観察は、全女性の全時点で ≧14bpm であり、カプノグラフィと看護師 RR の間の r=0.05(95%信頼区間、-0.04-0.14)であった。どの女性にも臨床的に有意な有害事象はなかった。鼻の掻痒感、嘔気、授乳中の乳児に邪魔、全体的な不便さなど、65 人の女性(82%)がカプノグラフィ装置に苦情を訴えた。

・著者らは、クモ膜下投与後に帝王切開を受けた女性で、カプノグラフィーによって検出された 198 件の AAE を報告している。これらの無呼吸は、間欠的な 1 時間毎の看護師観察によっては確認されなかった。観察者の確認がないために、カプノグラフィの本当の無呼吸(たとえ臨床的に意義のない警告であっても)と偽の無呼吸を区別できない。鼻サンプリングカニューレの不快感と頻繁な警告は、帝王切開後のカプノグラフィー適用に影響を及ぼし得る。臨床的に関連する有害事象は発生しなかった。

[!]:カプノを付けて実際の無呼吸事象の発生を監視してみると、被験者の半分以上に無呼吸が発生している可能性があると。

【出典】
Prospective Observational Investigation of Capnography and Pulse Oximetry Monitoring After Cesarean Delivery With Intrathecal Morphine.
Anesth Analg. 2018 Jun 28. doi: 10.1213/ANE.0000000000003503. [Epub ahead of print]

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