予定帝王切開分娩時の脊柱管麻酔実施から分娩までの時間は臍帯血帯 pH に反比例する

・脊柱管ブロック関連低血圧と母体肥満は、帝王切開時の子宮低灌流と臍帯動脈血 pH 低下の要因である。麻酔開始から娩出までの間、外科医が胎児の障害を認識することなく、胎児は低灌流子宮環境にさらされている可能性がある。著者らは予定満期帝王切開で、出産前時間間隔に応じた新生児臍帯動脈血 pH を評価しようとした。

・著者らは 2014 年 9 月から 2017 年 2 月に、帝王切開分娩の後ろ向きコホート研究を行った。術前ノンストレステストで胎児状態が良好で、37-41 週に脊髄麻酔下で予定帝王切開分娩を受けた単胎妊娠が含まれた。手術室(OR)入室、脊椎麻酔実施、皮膚切開、子宮切開、娩出の間の時間間隔を計算した。主要評価項目は臍帯動脈血 pH であった。人口統計学的データ、母体血圧、分娩前時間間隔、分娩転帰を、臍帯動脈血 pH 間隔 <7.0、7.01~7.10、7.11~7.20、7.21~7.30、>7.30 に応じて分析した。臍帯ガス分析と新生児転帰は、脊椎麻酔から娩出までの時間によって分析された。臍帯動脈血 pH 低下の予測因子を同定するために段階的線形回帰を行った。ROC 曲線を、脊椎麻酔から娩出までの時間と臍帯動脈血 pH<7.0 と 7.1 について計算した。

・527 人の参加者のうち、臍帯動脈血 pH の中央値は 7.27 [IQR 7.23-7.29]、肥満指数(BMI)は 35kg/m2 [IQR 30-41]であった。臍帯動脈血 pH が低下すると、母体 BMI と低血圧の発症の両方が増加した(p<0.001、p<0.02)。臍帯動脈血 pH 間隔が減少するにつれて、すべての分娩前の時間間隔(OR 入室から分娩、脊椎麻酔から皮膚切開、脊椎麻酔から分娩、子宮切開から分娩)が増加した(すべてについて p<0.05)。段階的線形回帰では、母親 BMI、非頭位娩出、脊椎麻酔開始から娩出までの時間間隔、子宮切開から娩出までの時間間隔、ベースラインからの血圧の最大低下は、交絡変数を調整した後、臍帯動脈血 pH 低下を予測した。[F(5.442)=17.7、p=0.0001]、調整 R2=0.157。脊椎麻酔から娩出までの時間で評価すると、臍帯動静脈の両 pH と pCO2 は低下した(全て、p<0.001)が、塩基欠乏と新生児転帰は同様であった(全て p≧0.7)。2 例の低酸素性虚血性脳症があった(0.38%)。ROC 曲線は、脊椎麻酔開始から娩出までの時間が 27 分を超えると、臍帯動脈血 pH<7.1(AUC 0.74、感度 100%、特異度 21%)と関連し、30 分を超える間隔は臍帯動脈血 pH<7.0(AUC 0.80、感度 100%、特異度 33%)と関連することを示した。

・予定満期帝王切開分娩では、脊椎麻酔から娩出と、子宮切開から娩出までの時間間隔が長くなるほど、臍帯動脈血 pH 低下と関連していた。脊椎麻酔実施後の娩出前時間を最小限とする努力が、予想外の新生児酸血症の頻度を減らすことができよう。

[!]:脊椎麻酔から娩出までの時間がそれほどに重要であったとは!! ならば、産科医が手洗いを終了してから脊椎麻酔を実施した方がよいのかも。

【 出典 】
Time from neuraxial anesthesia placement to delivery is inversely proportional to umbilical arterial cord pH at scheduled cesarean delivery
Am J Obstet Gynecol. 2019 Apr;220(4):389.e1-389.e9. doi: 10.1016/j.ajog.2019.01.006. Epub 2019 Jan 8.

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