心臓手術後の重症患者における嚥下障害を予測するためのリスクスコア

・本研究は、嚥下障害のリスクに基づいて心臓手術後の重症患者を層別化するためのスコアリングモデルの開発および検証を目的としていた。

・単施設の心臓治療室(CCU)で 395 人の連続した心臓手術後患者から、2016 年 1 月から 2017 年 6 月までのデータを前向きに収集し分析した。103 人(26.1%)が嚥下障害を発症した。単変量および多変量ロジスティック分析を用いて、嚥下障害の独立予測因子を同定した。生存ノモグラムは、多変量 Cox モデルに基づいて開発されたため、生存確率の推定値を得ることができた。ノモグラムの予測性能は、識別および較正に関して検証された。ROC 曲線分析下面積を用いて新規モデルの診断性能を明らかにし評価した。

・SSG-OD と名付けられた最終的な新規スコアリングモデルは 3 つの独立した要因からなる:胃管留置(OR=1.024、95%CI 1.015-1.033)、鎮静薬使用期間(OR=1.031、95%CI 1.001-1.063)そして、脳梗塞の有無(OR=6.182、95%CI 3.028-12.617)。SSG-OD は、嚥下障害の危険性がある患者を感度 68.5%、特異度 89.0% で同定した(OR=0.833、95%CI:0.782~0.884)。陽性/陰性尤度比は 6.22 と 0.35 であった。

・CCU 患者で嚥下障害のリスク層別化のための新規 SSG-OD スコアリングシステムは、良好な予測性能を有しており、誤嚥の発生率を減らし、回復を加速する可能性のある使いやすいベッドサイド予後予測ツールである。

[!]:計算式ではなく、ノモグラムなので元になる図が必要。
画像

各要素を特定して上方に垂線を描いて点数を割り出す(①→②→③)。その合計点をポイントして下方に垂線を描いて(④)、嚥下障害リスクを判定する。
簡易的には、計算式で
S(Strole)脳梗塞の既往=20点
S(sedative drug use duration)鎮静剤投与時間÷3点
G(Gastric intubation)胃管留置時間÷4点
合計点×2(%)程度の確率で嚥下障害が発生するようだ。例えば、
(例1)脳梗塞の既往があって、鎮静剤投与時間が、72 時間、経鼻胃管留置時間が 48 時間では、(20+72/3+48/4)×2=112% なので、ほぼ必発。
(例2)脳梗塞の既往はなく、鎮静剤投与時間が、24 時間、経鼻胃管留置時間が 48 時間では、(24/3+48/4)×2=40% くらいの確率で嚥下障害をきたす。

【出典】
Risk scores for predicting dysphagia in critically ill patients after cardiac surgery.
BMC Anesthesiol. 2019 Jan 10;19(1):7. doi: 10.1186/s12871-019-0680-3.

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック