帝王切開分娩のためのクモ膜下フェンタニルの有効性:試験逐次分析による無作為化対照試験の系統的レビュー

・フェンタニルとモルヒネは帝王切開分娩時の脊椎麻酔に際してブピバカインにもっともよく追加される 2 種類のオピオイドである。多くの臨床試験が脊椎麻酔のためにクモ膜下ブピバカインに追加されたフェンタニルの異なる用量の有効性と安全性を評価したが、それでもその利点、害、そして最適な用量は不明のままである。本研究は、帝王切開時の脊椎麻酔に際して、クモ膜下ブピバカイン単独に加えた場合、モルヒネとともにブピバカインに加えた場合の、フェンタニルの有効性のエビデンスを系統的に検討することを目的とした。

・帝王切開分娩集団において、主要な電子データベース(PubMed、Embase、Cochrane Library)から無作為化比較試験を検索した。主要評価項目は、全身麻酔への変更または術中の鎮痛剤追加のいずれかの必要性によって評価された、脊椎麻酔の失敗率であった。2 名のレビューアが独自に標準化電子フォームを使用してデータを抽出した。結果は相対リスクまたは 95%CI 付きの平均差として表わしている。

・1064 人の参加者を対象とした 17 件の無作為化比較臨床試験(ほとんどの場合、バイアスリスクが低いか不明確であると判断された)がメタ分析のデータを提供した。クモ膜下ブピバカイン単味にフェンタニルを追加すると、術中補助鎮痛剤の必要性(相対リスク、0.18; 95%CI、0.11-0.27;治療必要例数、4)と悪心/嘔吐の発生率(相対リスク、0.41; 95%CI 0.24~0.70;治療必要例数、6.5))が減少し、最初の術後鎮痛要求までの時間が長かった(平均差、91分; 95%CI、69~113)。全身麻酔への変換の必要性(相対リスク、0.67; 95%CI、0.12~3.57)、低血圧の発生率、知覚ブロックの発現、運動ブロックの持続時間に関して差は認められなかった。しかしながら、クモ膜下フェンタニルの追加は、術中掻痒症の発生率が高いことと関連していた(相対リスク 5.89、95%CI、2.07-16.79、有害必要数、13.5)。クモ膜下ブピバカイン+モルヒネへのフェンタニルの追加は、クモ膜下ブピバカイン+モルヒネと比較して、同様の効果が得られ、術中補助鎮痛の必要性が有意に減少した(相対リスク、0.16、95%CI、0.03~0.95、治療必要例数、9)。ファンネルプロットを使用した分析は、含まれた研究の出版バイアスの可能性を示した。

・現在のエビデンスは、脊椎麻酔下の帝王切開分娩に際して、クモ膜下ブピバカイン単味、およびモルヒネを併用したクモ膜下ブピバカインへの添加剤としてフェンタニルを使用することの利点を示唆している。対象とした研究のいくつかで、出版バイアス、被験者数が少ないこと、高いバイアスリスクの可能性があり、結果を慎重に扱ってしかるべきである。

[!]:クモ膜下フェンtニルは術中と術後早期の鎮痛ために、モルヒネは術後長時間の鎮痛の目的で使用する。

【出典】
Efficacy of Intrathecal Fentanyl for Cesarean Delivery: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials With Trial Sequential Analysis.
Anesth Analg. 2019 Jan 8. doi: 10.1213/ANE.0000000000003975. [Epub ahead of print]

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