急性呼吸窮迫症候群患者における好中球対リンパ球比と死亡率の関連:後ろ向きコホート研究

・全身性炎症は急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の発症と進行に関連している。好中球対リンパ球比(NLR)は様々な疾患における予後の炎症性バイオマーカーであることが示されていることから、本研究では、NLR が ARDS 患者における予後因子であるかどうかを調査しようとした。

・集中治療室(ICU)に入室した ARDS と診断された患者に対して後ろ向き研究を実施した。好中球数をリンパ球数で割ることによって NLR を計算し、NLR 値の四分位数に基づいて患者を 4 群に分類した。NLR 四分位数と 28 日死亡率との関連を多変量 Cox 回帰を用いて評価した。副次評価項目は、ICU 死亡率と病院死亡率を含めた。

・合計 224 人の患者が最終分析に含まれた。第 1 四分位数から第 4 四分位数までの NLR の中央値(四分位範囲)は、それぞれ、6.88(4.61-7.94)、13.06(11.35-14.89)、20.99(19.09-23.19)、39.39(32.63-50.15)であった。同群の 28 日死亡率は以下の通りであった:10.7%、19.6%、41.4%、53.6%(P<0.001)。Cox 回帰分析は、NLR が 28 日死亡率を予測する有意な危険因子であることを示した(第 1 四分位を参照群とすると、第 2 四分位の調整ハザード比[HR]=1.674、95% 信頼区間[CI]、0.462-6.063、P=0.432、第 3 四分位数、HR=5.075、95%CI、1.554~16.576、P=0.007、第 4 四分位数、HR=5.815、95%CI、1.824~18.533、P=0.003)。ICU 死亡率と病院死亡率についても同様の傾向が観察された。

・高 NLR は、ARDS 重症患者の転帰不良と関連していた。したがって、NLR は、ARDS 重症患者における転帰の予後バイオマーカーであると思われる。前向きに収集されたデータとこの関係を検証するには、さらなる調査が必要である。

[!]:多くのがんについても、NLR が高いほど予後が不良であることが示されている。

【出典】
The Association Between the Neutrophil-to-Lymphocyte Ratio and Mortality in Patients With Acute Respiratory Distress Syndrome: A Retrospective Cohort Study.
Shock. 2019 Feb;51(2):161-167. doi: 10.1097/SHK.0000000000001136.

<関連記事>
動脈瘤性くも膜下出血後のリンパ球/好中球比およびリンパ球/血小板比の臨床的価値

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック