心臓手術時の術中非脱分極神経筋遮断薬の使用と術後肺合併症の関連性:前向き無作為化試験

・非脱分極性神経筋遮断薬(NMBA)は、非心臓手術における周術期合併症と関連している。しかし、心臓手術への影響についてはほとんどわかっていない。本研究では、心臓手術後肺合併症(PPC)の発生率と手術条件に及ぼす神経筋遮断(NMB)の効果を評価した。

・人工心肺を必要とする心臓手術を受ける成人患者を対象とした大学病院単施設での盲式転帰評価による前向き無作為化臨床試験である。100 人の患者が挿管のためにサクシニルコリン(SUX群)を投与され、それ以上は NMB を投与されないか、挿管と NMB 維持のためにシスアトラクリウムを投与される(シスアトラクリウム群)ように無作為に割り付けられた。主要評価項目は、待機的心臓手術後 72 時間での PPC の複合発生率であった。PPC には、24 時間以内の抜管の失敗、再挿管の必要性、肺炎、誤嚥、予期せぬ非侵襲的呼吸補助の必要性、急性呼吸窮迫、呼吸停止による死亡が含まれた。副次評価項目は、群割り当てを知らされない外科医の調査(1=不良 ~ 5=優秀までの Likert スケールによる手術条件の評価を含む)、麻酔科医の報告、患者アンケートによって評価された手術条件の適切性であった。

・PPC の複合発生率は、群間で差がなかった(両群で 50 人中 8 人の患者;16%)。術野条件の平均外科医評点は、SUX 群の方が低かった(4.65±0.85 vs 4.96±0.20、p=0.02)。

・非脱分極 NMBA を使用しないことは実現可能であるが、そうすることは術野条件を悪化させ、術後の肺合併症の発生率を減少させなかった。

[!]:心臓手術で非脱分極性筋弛緩剤を使用しないでおくことは可能だが、だからといって、術後肺合併症が減るわけではないと。

【出典】
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2018 Nov 28. pii: S1053-0770(18)31095-4. doi: 10.1053/j.jvca.2018.11.043. [Epub ahead of print]
Intraoperative Use of Nondepolarizing Neuromuscular Blocking Agents During Cardiac Surgery and Postoperative Pulmonary Complications: A Prospective Randomized Trial.

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