冠状動脈バイパス術後の退院時ヘモグロビン濃度と 30 日再入院率

・大規模無作為化試験によって支持された輸血制限戦略は心臓手術での血液利用の減少をもたらしている。しかしながら、まだ決定されていないことは、退院時ヘモグロビン(Hb)低値が再入院率に及ぼす影響である。退院時 Hb 値が高い場合と低い場合とで患者を評価して、冠動脈バイパス術(CABG)後 30 日再入院率を比較した。

・2013 年 1 月から 2016 年 5 月までに著者ら施設で単独 CABG を受けた 1552 人の患者を後ろ向きに評価した。著者らは 2 群の Hb コホートを評価した:退院時平均 Hb 値が 9.4 g/dL よりも「高い(上)」群と「低い(下)」群。患者の特徴、血液利用、30 日再入院率を含む臨床転帰を比較した。著者らはさらに、退院時 Hb 値に基づいて患者を 4 つの貧血コホート(「貧血なし」(>12g/dL)、「軽度の貧血」(10~11.9 g/dL)、「中程度の貧血」(8~9.9 g/dL)、「重度の貧血」(<8 g/dL))に分割することによって、30 日再入院率に及ぼす最低の退院時 Hb 値(<8 g/dL)の影響を評価した。リスク調整は、年齢、性別、Charlson 併存疾患指数、術前併存疾患、止血のための胸骨切開、患者の血液管理プログラムの実施を含めた。

・「高」および「低」群は、Hb 値を除いて同様の患者特性を示した(平均退院時 Hb は、それぞれ 8.5±0.6 g/dL vs 10.4±0.9)。特に、「高」(76/746; 10.2%)と「低」(97/806; 12.0%) Hb コホート間で、30 日再入院率に差があるとするエビデンスは見られなかった(P=0.25)。4 つの貧血コホートは、年齢、再開胸の発生率、Hb 値、特定の患者の併存疾患、再入院までの期間に差があった。多変量解析では、「低」Hb コホートのリスク調整再入院オッズ(オッズ比 1.16、95% 信頼区間、0.84-1.61、P=0.36)は、「高」Hb コホートと比較して有意ではなかった。Hb≧8 g/dL の退院患者と比較して、Hb<8 g/dL の患者は再入院の発生率が高かった(22/129、17.1% vs 151/1423; 10.6%、P=0.036)。多変量解析では、退院時 Hb <8 g/dL が再入院の予測因子であった(オッズ比、1.77、95% 信頼区間、1.05-2.88、P=0.03)。再入院の最も一般的な理由は、容量過負荷、続いて、感染と不整脈であった。

・CABG 患者の施設平均を下回る退院時 Hb 値は、30 日再入院率の増加との関連性についてのエビデンスを示していない。Hb<8 g/dL で退院した少数の患者では、再入院リスクが増加しているという示唆があり、この所見を是非を確認するには、より大規模なより制御された研究が必要である。

[!]:極度の貧血は心臓への負担を増すから、再入院を余儀なくさせるだろう。

【出典】
Discharge Hemoglobin Level and 30-Day Readmission Rates After Coronary Artery Bypass Surgery.
Anesth Analg. 2019 Feb;128(2):342-348. doi: 10.1213/ANE.0000000000003671.

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