気管挿管中の血行動態反応の軽減における静脈内低用量フェンタニル vs リグノカイン

・喉頭と気管への刺激は心拍数と血圧の著しい増加を伴う反射性交感神経副腎反応を引き起こすことが知られている。不整脈が惹起される可能性もある。この反応の有害性はリスクのある患者で注目されてきた。そこで、喉頭鏡検査と挿管に対する交感神経反応を軽減する効果的な手段を見つけることが重要である。本研究は、喉頭鏡検査および気管挿管に対する血行動態反応を軽減する上で静脈内低用量フェンタニル(2μg/kg)とリグノカイン(1.5mg/kg)の有効性を調査するために実施される。本研究の目的は、気管挿管中の血行動態反応を軽減する上で静脈内低用量フェンタニル(2μg/kg) vs リグノカイン(1.5 mg/kg)の有効性を比較することである。

・施設の倫理的許可を得て説明と同意を得た後、二重盲式無作為化比較試験で、ASA-PS I/II の待機的手術を予定された合計 90 人の患者を無作為に選択し、それぞれ 30 人ずつの 3 群に分けた。全身麻酔法は、以下のように 3 群全てについて標準化された:1 群(対照群として生食を投与された)、2 群(リグノカイン 1.5mg/kg)、3 群(フェンタニル 2μg/kg)。心拍数、収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧を、導入前、導入後、気管挿管後 1、3、5、7、10 分に記録した。記述データは平均値±標準偏差とパーセンテージで示した。他群比較は、一元配置分散分析を使用して行い、続いいて一対比較には、対応のない t 検定を行った。P<0.05 をもって統計的に有意とみなした。

・フェンタニル群(26%)は、リグノカイン群(33%)(P=0.018)と対照群(42.5%)(P=0.000)と比較して、心拍数上昇が有意に低かった。リグノカイン群は挿管時に対照群(20%)と比較して収縮期血圧の上昇が少なかった(14.5%)(P=0.000)。フェンタニル群は投与後に収縮期血圧の有意な減少を示し、それは挿管後 7 分で正常に戻り、挿管後 10 分で再び低下した。

・リグノカインとフェンタニルはどちらも心拍数の上昇を軽減したが、フェンタニルの方が優れていた。リグノカインは挿管により血圧上昇を軽減したが、フェンタニルはそれを完全に防止した。 2 種類の薬物のうち、低用量フェンタニル 2μg/kg 静脈内ボーラス投与は、リグノカイン 1.5mg/kg 静脈内ボーラス投与と比較して、一貫性があり、信頼性がありそして効果的な減弱を提供する。

[!]:どちらか一方だけに固執せずに両方使えばいいんだよ。個人的には、フェンタニル 1μg/kg+リドカイン 1mg/kg の併用が麻酔導入には、ちょうどよいと感じている。フェンタニルを 2μg/kg も使うと、徐呼吸になるし、自発呼吸を出したいときに出ないし、胸壁鉛管現象のリスクが高くなる。また、挿管後、執刀前までに血圧低下が大きく、昇圧剤を使用せざるを得ない頻度が増加する。また、リドカインの方がプロポフォールやロクロニウムの注入時血管痛を酷科的に軽減できる。

【出典】
Intravenous Low Dose Fentanyl versus Lignocaine in Attenuating the Hemodynamic Responses during Endotracheal Intubation: A Randomized Double-Blind Study.
Anesth Essays Res. 2018 Oct-Dec;12(4):778-785. doi: 10.4103/aer.AER_111_18.

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Q:麻酔導入に及ぼすリドカイン静注の効果とは?

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