Q:呼吸停止後 4 分で酸素が枯渇することを示せ!

A:酸素運搬を司る 2 つのポンプは「心臓」と「肺」です。酸素運搬を司る 1 つ目のポンプである「肺」が停止した場合、肺から血液への酸素供給が停止することになります(こう断言するにはいささか無理があるので後述する)。

もしも、肺からの酸素供給が途絶した場合、生体はどれくらい時間、耐えられるであろうか。これが本問の本質的な質問です。

通常、正常な成人であれば、「貧血」が存在しない限りは、ヘモグロビン濃度は、15g/dL 程度あります。ヘモグロビン 1g/dL はどれくらい酸素を結合できるかというと、Hb 1 gに酸素 1.39ml が結合するとするされています。血液に含まれる酸素のほとんどはヘモグロビン結合酸素であって、溶存酸素は通常の環境では微々たるものです。

体重が 60 kg の成人であれば、循環血液量は体重の 8% とされているので、循環血器量は、約 5 L 存在します。循環血液量が 5L 存在すれば、ヘモグロビンは。
50dL(=5L) × 15(g/dL)=750g
存在します。

「Hb 1 g当たり酸素 1.39mL が結合できる(1.39mL/g)」のならば、循環血液は、
750g×1.39mL/g≒1000mL の酸素を貯蔵しておけます。

つまり、通常成人の血液酸素ストアは 1 リットルある

一方、生体の酸素消費量は、通常の成人ならば、250mL/分の酸素を消費しているとされています。ということは、血液の酸素ストアが、1 リットル=1000ml であるのに対して、呼吸が停止した後でさえ、生体は、1 分間に 250mL ずつ酸素を消費し続けたとすれば、

1000mL÷250mL/分=4 分

で循環血液が含有する酸素はすべて消費されてしまいます。

これが、「呼吸停止後 4 分で酸素が枯渇する」理由です。

しかし、実際には、肺にも予備能力があり、通常の呼吸運動の呼出した段階で呼吸停止が起こった場合でも、機能的残気量である 1.5~2 L程度の空気が肺内には存在し、その 20% 程度が酸素であることから、300~400ml 程度の酸素が、呼吸停止後も心臓さえ動いていれば循環血液に酸素を供給し続ける可能性があり、その場合には、肺と循環系に存在する酸素が全て消費し尽くされるまでの時間は、(1000+(300~400))÷250=5~6 分となります。

さらに、脳が不可逆的障害を受けるためには、完全に脳への酸素供給が断たれた後、3 分程度の時間が必要とされることから、呼吸停止後では、10 分程度が必要となると考えることができます。

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