脊椎麻酔下の帝王切開分娩中の母体低血圧に対するノルエピネフリン vs フェニレフリンの有効性と安全性

フェニレフリン.png・フェニレフリンは脊椎麻酔下帝王切開分娩を受ける女性の母体低血圧の治療に使用される現在の「ゴールドスタンダード」の昇圧薬である。2015 年以来、様々な研究が母体低血圧を管理するためのノルエピネフリンの使用を検討してきた。著者らは、母体低血圧の予防と治療のためのノルエピネフリンとフェニレフリンの有効性と安全性を比較するための無作為化比較試験(RCT)の系統的レビューとメタ分析を実施した。

・PubMed、MEDLINE、Embase(Embase.com)、Cochrane CENTRAL の対照試験登録簿などの電子データベースを使用して、系統的な文献検索を行った。分娩中に脊椎麻酔下に帝王切開を受け、低血圧を予防または治療するために、ノルエピネフリンを投与された妊婦が考慮された。低血圧、高血圧、徐脈、術中悪心嘔吐(IONV)の発生率、母体心拍出量(CO)、血圧(BP)の管理精度を含む母体転機、ならびに新生児 Apgar スコアと臍帯血ガス分析を群間で比較した。

・2015 年から 2018 年までに発表された 4 件の報告書のうち 3 件の RCT が最終的に同定され、妊婦総数は 294 人であった。ノルエピネフリンとフェニレフリンの母体低血圧治療に対する有効性に差はなく(オッズ比[OR]0.64、95% 信頼区間[CI]0.37-1.10、P=0.11)、高血圧の発生(OR 0.74; 95%CI 0.33-1.62、P=0.45)に差はなかった。注目すべきことに、フェニレフリン群と比較して、ノルエピネフリン群妊婦の方が徐脈(OR 0.29; 95%CI 0.12-0.68、P=0.005)と IONV(OR 0.54; 95%CI、0.29-0.99、P=0.04)をきたす可能性が少なかった。さらに、本著者らは、1 分と 5 分の新生児 Apgar スコア<7 の発生率や臍帯静脈(UV)血液ガス分析において 2 つの血管収縮薬間に差を認めなかった。しかし、ノルエピネフリンを使用した場合の母体の CO の増加と BP 管理の精度の向上に関する結論を引き出すには、エビデンスは不十分である。

・この系統的レビューとメタ分析は、母体低血圧を管理するのに、ノルエピネフリンがフェニレフリンと比較して同様の有効性を提供することを示している。さらに、徐脈や IONV 低下のような特定の副作用に関して利点を示す。したがって、ノルエピネフリンはフェニレフリンに代わる有望な選択肢である。しかし、日常的な臨床応用の前に、より多くの研究が必要である。

[!]:フェニレフリンは反射性徐脈もあり、心拍出量は低下するんだろうな。ノルエピネフリンの方が徐脈、心拍出量低下が少ないため、悪心も少ないのだろうな。

【出典】
Efficacy and safety of norepinephrine versus phenylephrine for the management of maternal hypotension during cesarean delivery with spinal anesthesia: A systematic review and meta-analysis.
Medicine (Baltimore). 2019 Feb;98(5):e14331. doi: 10.1097/MD.0000000000014331.

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