術中ブドウ糖注入と術後悪心嘔吐:無作為化試験のメタ分析

・周術期の IV ブドウ糖注入は、術後の悪心嘔吐のリスクを軽減する可能性があるかどうかが調査されている。このメタ分析では、術後の悪心嘔吐を予防するために、術中または術後にブドウ糖を注入することを検討した。

・著者らのグループは、術後悪心嘔吐予防のための周術期 IV ブドウ糖の使用を検討している関連する無作為化比較試験について PubMed、Embase、Cochrane library、Google Scholar を検索した。主要評価項目は、術後悪心嘔吐の発生率であった(麻酔回復室と、術後 24 時間以内の両方)。副次評価項目は術後制吐剤投与と血清ブドウ糖値を含んでいた。

・著者らの検索によって周術期ブドウ糖注入(n=465)と対照(n=522)の使用を比較した合計 10 件の無作為化比較試験(n=987 人の患者)が得られた。術中ブドウ糖注入は、麻酔回復室(リスク比=0.91、95%CI、0.73-1.15、P=0.44)または、術後 24 時間以内(リスク比=0.76、95% CI, 0.55-1.04、P=0.09)の術後悪心嘔吐の有意な減少とは関連していなかった。ブドウ糖の使用は術後 24 時間以内の制吐剤投与の有意な減少と関連していた(リスク比=0.55、95%CI、0.45-0.69、P<0.001)が、対照と比較して術後血漿ブドウ糖値も増加した。

・周術期ブドウ糖の使用は、術後悪心嘔吐と統計的に有意な関連をもたらさなかった。利用時には、術後高血糖を評価するために血漿ブドウ糖モニタリングが推奨される。術後嘔気嘔吐の発生率とレスキュー制吐剤必要量に及ぼすブドウ糖注入の投与タイミングの潜在的な影響を検討するには、さらなる前向き試験が必要である。

[!]:術中ブドウ糖投与は PONV を減らすという研究がいくつかある。「血糖値の上昇→反射性の腸管蠕動亢進→PONV 発生率の低下」というようなメカニズムが考えられる。

【出典】
Perioperative Dextrose Infusion and Postoperative Nausea and Vomiting: A Meta-analysis of Randomized Trials.
Anesth Analg. 2019 Jan 14. doi: 10.1213/ANE.0000000000004019. [Epub ahead of print]

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