Q:小児では無呼吸許容時間がなぜ短くなるのか?

A:実際のところ経験的には、換気不能に陥った場合、小児は成人に比べて圧倒的に速いスピードで、酸素飽和度が低下してゆきます。

小児は健康成人よりも胸郭の発達が劣っており、機能的残気量(FRC)が小さいです。成人の FRC が 総肺容量(TLC)の約 30% であるのに対して、新生児の FRC は TLC の 10~15% と低値なのです。さらに麻酔導入後の FRC の低下は、成人では 0~18% であるのに対して、小児では、35% に低下するとされています。その一方で、小児は体表面積当たりの基礎代謝量は高く、体重あたりの酸素消費量(VO2)も大きいのです。
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無呼吸の発生後、重症の低酸素血症がより急速に進行し、これは年齢の低い小児ほど顕著となります。 生後 1 ヶ月の乳児の無呼吸時には、PaO2 の減少速度は成人のそれの 3 倍速く、前酸素化がなく気道閉塞が起こると 0.25 分で酸素飽和度(SaO2)が 90% にまで低下します。

1 分間の予備酸素補充は、SaO2 が 90% まで低下する時間を 1.5 分に延長できます。これは気道確保困難がある可能性のある患者を管理する際には、非常に貴重な付加時間となります。

8 歳の年長小児では、無呼吸発生後 SaO2 が 90% まで低下する時間 0.47 分です しかし、前酸素化の利点は、乳児の場合よりも大きくなります(SaO2 が 90% まで低下する時間は 5.11 分に延長される)。

したがって、小児患者においては、成人よりも前酸素化の効果は少ないが、確実な気道確保を達成するための貴重な時間を延長できるという点ではより価値があります。

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