胃送気を予防するための筋弛緩ありとなしの小児のフェイスマスク換気のための最適吸気圧

・胃への送気はフェイスマスク換気中によく見られ、小児に好ましくない呼吸事象をもたらす。本研究の目的は、胃送気に及ぼす筋弛緩剤の効果を評価し、小児フェイスマスク換気中の最適吸気圧を決定することであった。

・月齢 1ヶ月から年齢 5 歳までの小児を無作為に筋弛緩薬(NM)群、または非筋弛緩薬(non-NM)群に割り当てた。静脈麻酔薬投与後、従圧式人工呼吸器を介してフェイスマスク換気を開始した。初期吸気圧は 10 cmH2O であり、胃内超音波検査法または心窩部聴診によって胃内ガス注入が検出されるまで 2 cmH2O ずつ増加した。主要評価項目は、2 群間で胃内ガス注入を引き起こす吸気圧の差であった。最初に胃内ガス注入を検出する診断法もまた評価した。

・non-NM 群(n=52)と NM 群(n=60)との間で、胃送気を誘発する吸気圧の中央値[四分位範囲]に有意差はなかった(18 [16-18] cmH2O vs 18.0 [16-20]cmH2O);中央値の差、0cmH2O;95% 信頼区間[CI]0.0 ~2; P=0.57)。胃内ガス注入の発生率は吸気圧の増加とともに増加した。胃ガス注入は、non-NM 群では、最初に超音波検査法によって 44% に、心窩部聴診法によって 19% に検出され(割合の差、25%; 95%CI、6~42; P=0.006)、NM 群では、超音波検査法により 73% に、心窩部聴診方によって 7% (割合の差、66%; 95%CI、50~78; P<0.001)に検出された。

・筋弛緩薬は、小児フェイスマスク換気中に胃内ガス注入を引き起こす吸気圧にはほとんど影響を与えない。

[!]:小児では筋弛緩をしようがしまいが、胃送気を引き起こす吸気圧は変化しないと。吸気圧は、ベンチレータが押し込もうとする換気量と患者側の呼吸コンプライアンスの結果決まるものだから、吸気圧が変わらなければ、胃への送気量も変わらないということか。

【出典】
Optimal inspiratory pressure for face mask ventilation in paralyzed and unparalyzed children to prevent gastric insufflation: a prospective, randomized, non-blinded study.
Can J Anaesth. 2018 Dec;65(12):1288-1295. doi: 10.1007/s12630-018-1183-2. Epub 2018 Jul 11.

<関連記事>
小児の全身麻酔導入中の手動 vs 従圧式フェイスマスク換気:前向き無作為化対照研究

小児で超音波検査を用いた胃内ガス注入を最小につつ十分な換気を提供する最適吸気圧の決定

小児患者の麻酔導入に際して手動よりも従圧式フェイスマスク換気中の方が最高気道内圧が低い

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック