帝王切開で脊椎麻酔誘発性低血圧の予防と治療のためのフェニレフリンとノルエピネフリンの間欠的静脈内投与

フェニレフリン1.png・フェニレフリン(PE)は現在、帝王切開(CD)で脊椎麻酔誘発性低血圧を予防と治療のために選択されている昇圧薬である。しかし、その使用はしばしば反射性徐脈と関連付けられている。ノルエピネフリン(NE)は、心拍数(HR)を維持しながら低血圧を治療するその能力のために CD 中の代替昇圧剤として提案されている。最近の研究は、PE と比較して好ましい結果を伴う持続注入として使用される NE の役割に焦点を当てている。CD において PE と NE の等力価用量をボーラス投与して比較した研究はない。著者らは、脊椎麻酔誘発性低血圧を予防、治療するために、間欠的ボーラス投与として等力価用量で使用した場合、NE は PE と比較して徐脈の発生頻度の低下をもたらすと仮定した。

・これは脊椎麻酔下で待機的 CD を受ける女性の二重盲式無作為化臨床試験であった。収縮期血圧(SBP)がベースラインを下回ったときに、女性を PE 100μg か、または NE 6μg のいずれかに無作為に割り付けた。無作為化治療に加えて、SBP がベースラインを下回り、かつ HR が 60 bpm を下回った場合、または SBP 2 回の連続測定値がベースラインの 80% 未満であった場合、エフェドリンを両群に静脈内投与した。主要評価項目は、分娩前期間の徐脈(HR<50 bpm)であった。副次評価項目には、低血圧(SBP<80% ベースライン)、高血圧(SBP>120% ベースライン)、頻脈(HR>120% ベースライン)、徐脈エピソード≧2 回、悪心、嘔吐、臍動脈静脈血ガス、アプガースコアが含まれた。

・112 人の患者が無作為化された。徐脈の発生率は PE 群と比較して NE 群の方が低かった(10.9% vs 37.5%、P<0.001;差[95% 信頼区間{CI}]、-26.8%[-41.8%~-11.7%])、推定 71% の相対的減少を意味する(95%CI、35%~88%)。徐脈エピソード回数の分布も 2 群間で異なっていた(P=0.007)。さらなる試験では、PE 群患者の方が NE 群と比較して複数回の徐脈エピソード(≧2 回)のリスクが高いことを示した(PE は 19.6%、NEは 3.6%、P=0.008)。エフェドリンのレスキューボーラス投与を必要とした患者の割合は、PE 群と比較して NE 群の方が少なかった(NE は 7.2%、PE は21.4%;P<0.03;差[95%CI]、-14.3%[-27.0%~-1.6%]。他の副次評価項目の発生率は 2群間に差は観察されなかった。

・CD 時に脊椎麻酔誘発性低血圧を予防し治療するための間欠的ボーラス療法として使用したとき、NE は PE の等力価ボーラス療法と比較して、徐脈の発生率の有意な減少をもたらした。著者らは、CD 中に NE によって提供される血行動態プロフィールは、HR の変動と、おそらく心拍出量の変動が少ないために PE よりも優れていると結論付けている。

[!]:ノルエピネフリンの方が、フェニレフリンよりも反射性徐脈の発生頻度が少なく、帝王切開時の脊椎麻酔誘発性低血圧の治療において優れていると。

【出典】
Comparison of Intermittent Intravenous Boluses of Phenylephrine and Norepinephrine to Prevent and Treat Spinal-Induced Hypotension in Cesarean Deliveries: Randomized Controlled Trial.
Anesth Analg. 2018 Aug 14. doi: 10.1213/ANE.0000000000003704. [Epub ahead of print]

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